幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

夕食

「皆さん夕食ができましたよ！」

　そう言いながら木作って削った串で刺している肉を渡してくるシュナ。

　塩胡椒を塗してあるのですごく美味しそうだ。

　軽く噛んでみるとそれなりの美味さだった。

「うん、美味いな」

　肉汁が少ない草食獣なようで凄く食べやすいが、味は少々薄いな。

　肉の旨味が少ない分黒胡椒を多く塗して補っているような味なので少々物足りないが、流石に野外で調理器具も揃っていない場所だとこんな物だろう。

「美味いなー！　シュナはいいお嫁さんになるぞ！」

「ラカラちゃん、シュナちゃんは男の子だよ」

「あっそっか。じゃあいい旦那さんだ！」

「嬢ちゃん男の子だったのか、女の子かと思ってたぜ」

　運転手の盗賊がそう呟いたので俺は「分かる」と彼の肩を叩いた。

「どう見ても女の子だよな！」

「ああ！　間違いないぜ！」

　顔達や肩幅などを見てもシュナは女の子にしか見えない。

　正直言って男装させたって女の子に見えてしまうだろう。

　それほどまでに彼はの見た目は女の子なのだ。

　俺は盗賊のおっさんとシュナの容姿について語り合う。

　それを聞いていた本人が「和希様は今でも僕のことを女の子のように見ているんですか？」と聞いて来たので「当たり前だろ」と答えておく。

　いくら男同士だとはいえ、シュナと一緒に風呂に入るなど俺には無理だ。

　その点優樹はすごいよな。

　中学生近い男子と一緒に風呂に入れるのだから...。

　と言うか年下は全員弟くらいの感覚でいるのだろうか？

　俺は優樹の心の中を考えながらシュナの作った肉を食べるのでした。