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誰かの記憶
膝枕
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雨...。
雨が降る日には外には出られません。
外に出られないのが少し苦痛に感じてしまうくらいには彼女と過ごす時間が楽しくなって来ていたのでした。
「ねぇ◯◯...、ちょっとこっちに来て」
「えっ...良いけど...」
私が彼女に近寄ると、彼女は正座のまま自身の膝をポンポンっと叩いています。
「何?」
「良いから良いから、ここに頭を置いて」
言われるがまま彼女の膝に頭を置くと、不意に耳かきを始める彼女。
「ひゃ!!」
「わっ!」
突然の事に私は驚きの声をあげました。
彼女も私が動いた事にびっくりしたのか、耳かき一旦中断しています。
「もう!!動かないでよ!!」
「耳かきするんなんて聞いてないもん!!」
私が少し怒りながらそういうと「ごめんごめん」と笑いながら謝る彼女。
「耳かきの練習がしたくてさ~、ほらっ私ももう中学生でしょ?、◯の耳かきくらいできないとお嫁さんになった時困るかなって思ってさ」
「まだ中学生でしょ?、お嫁さんって高校卒業しなくちゃ結婚できないんだからまだ先のことじゃん」
私がそう彼女に言ったのですが、彼女はこう返してきました。
「子供と大人の時間は違うんだって母さんが言ってたからね、今の内からできる事を増やして置いた方がいいんだよきっと...、多分中学生活なんて一瞬で終わっちゃうから...」
「三年間もあるのに?」
私には不思議でなりません。
彼女が何をそう慌ててるのかよく分からなかったからです...。
でも...。
自分が中学生になるとこの時に◯が言っていた事が嫌という程分かってしまうのでした。
「◯◯の言ってた事は正しかったんだ...」
あっという間に中学生活は終わりを迎え始め、ちょっと前まで小学生だった筈の私には高校受験が迫ってきていたのでした。
雨が降る日には外には出られません。
外に出られないのが少し苦痛に感じてしまうくらいには彼女と過ごす時間が楽しくなって来ていたのでした。
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「ひゃ!!」
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突然の事に私は驚きの声をあげました。
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でも...。
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