なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
312 / 361

明るい家庭...

しおりを挟む
「ただいま...」

 私が帰宅すると、兄が笑顔で出迎えてくれました。

「よう!カリン!」

「お兄ちゃん...」

 私は少し冷めた様な視線を送って家に上がろうとすると、不意に彼がこんな事を呟いてきました。

「ちょっとお兄ちゃんに付き合ってくれないか?」

「えっ?」

「ほんのちょっとでいいんだ...」

 一瞬考えましたが、今日は1人で考えたい事があったので断る事にします。

「ごめんね...、私今日は明日のテスト勉強しないと行けないから...」

「明日は祝日だよな?」

「...」

 見え透いた嘘ではダメな様ですね...。

「そうだったっけ?」

 取り敢えずとぼけた振りをして誤魔化しました。

「そうだよ」

「...」

「だからさ、ちょっとでいいんだ...、カリン...、俺と話そう」

 兄の瞳からは強い意志を感じます。

 でもそれがには眩しすぎると言う事を理解しているのでしょうか?。

「ちょっとだけ...だよ」

「それでいい、最近口聞いてくれなかったから嫌われたのかと思ってたんだぞ~」

 明るく振舞ってくる兄に冷たくこう吐く私。

「無理に明るく振るわなくてもいいよ、父さんが死んで自分が父さんの代わりになろうとしているんだったら余計なお世話だから...」

 私が毒を吐くと彼の表情は少し強張りました。

「おっ...、妹に言われると今の言葉は効くな~...」

 ここまで言われてもまだ明るく振舞おうとする彼には反吐がでます。

「兄さん...あんまりふざけないで...、流石に怒るよ?」

「カリン...?」

 明らかに不自然な言動を放ち続ける私に違和感を覚えたのでしょう。

 兄の挙動が明らかにおかしくなって行くのが手に取る様にわかる自分がいます。

「貴方に言われなくても理解してる...、だから大丈夫...、暫く放っておいてくれたら私が決着をつけるから...」

 それだけ呟いた私は自分の部屋にゆっくりと向かって行きます。

「カリン!!ちょっと待て!!」

 彼が階段を上がって行く最中に私の肩を掴んできたので、思いっきり睨みました。

「うっ!!」

 彼はとても嫌そうな声を上げながら階段で尻餅を突いて転がり落ちて行きましたが、私はそれをただ呆然と見つめた後に自室へと戻ってしまう...。

「カリン...?、どうしちまったんだ...?」

 彼の悲痛な声が後に流れましたが、誰も聞くものはいないのでした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...