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剣
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「...ン!!」
「..リン!!」
声が聞こえます。
懐かしいような...聞いたことがあるような...、そんな声。
「カリン!!」
「ひゃ!!」
私はびっくりしながら飛び起きました。
「カリン!!!」
「へっ!?、お兄ちゃん!?」
私の前にはお兄ちゃんが存在しています。
驚きながら喜んでいる表情を浮かべながら、私に抱きついてきたのです。
「カリン!!!」
「お兄ちゃん...苦しい...」
嬉しいのは分かりましたが、ちょっと苦しいです...。
「あ...悪かった!」
さっと離れてくれた為、そこまでの被害は受けませんでしたが、女の子はもう少しデリケートに扱って欲しいですね。
でも...、私のことをそれだけ心配してくれていると言う事はしっかり実感として残っていました。
私は少しだけ笑うとお兄ちゃんの目を見て微笑みます。
「ありがとう...、お兄ちゃんが起こしてくれたんだよね?」
「ああ...、カリンが一週間ぶりに起きたと聞いたからな」
「一週間?」
その単語を聞いた瞬間、部屋の隅にある大きな袋の正体が分かったような気がしました。
「これって...、皆が持ってきてくれたの?」
「ああ、カリンの友達が持ってきてくれたぞ、中には俺が置いておいた物もあるんだけどな」
部屋の端っこに集まっているお見舞い品の大きさを見て胸が熱くなるのを感じる私は、瞳から一筋の涙を流しました。
(...、皆...ありがとう)
「カリン...どこか痛むのか?」
私の涙を見たお兄ちゃんがそう呟いてくれたので、更に心が満たされていくような感覚を覚えます。
「ううん...、ただ嬉しくて泣いちゃっただけ」
涙を拭いて笑顔を見せると、兄はすごく嬉しそうな表情を浮かべていました。
「よ~し!!、だったら今日はエルシーも呼んで皆で騒がないとな!!」
「えっ...別にいいよ...」
「よくね~よ!、せっかくカリンが起きたんだ、今日は俺が奮発するから安心しろって!」
胸を叩いてニカッと笑う兄の姿はとても眩しく思えます。
「お兄ちゃん...!」
頭を優しく撫でてくれた時には、とても幸福な時間を過ごしていると思いました。
「じゃあ買い出ししてくるわ!、それまではしっかりと寝てろよ!、カリン!」
サッと背中を向けて私の部屋から去ろうとした瞬間に見えてしまったのです。
彼が腰に付けている剣の形状を...。
(あれって...、自称私が身につけていたと同じ物だよね?、何でお兄ちゃんが...?)
「あっ!、お兄ちゃ...」
私が声をかけようとした時には兄の姿は扉の奥に行ってしまっているのでした。
「..リン!!」
声が聞こえます。
懐かしいような...聞いたことがあるような...、そんな声。
「カリン!!」
「ひゃ!!」
私はびっくりしながら飛び起きました。
「カリン!!!」
「へっ!?、お兄ちゃん!?」
私の前にはお兄ちゃんが存在しています。
驚きながら喜んでいる表情を浮かべながら、私に抱きついてきたのです。
「カリン!!!」
「お兄ちゃん...苦しい...」
嬉しいのは分かりましたが、ちょっと苦しいです...。
「あ...悪かった!」
さっと離れてくれた為、そこまでの被害は受けませんでしたが、女の子はもう少しデリケートに扱って欲しいですね。
でも...、私のことをそれだけ心配してくれていると言う事はしっかり実感として残っていました。
私は少しだけ笑うとお兄ちゃんの目を見て微笑みます。
「ありがとう...、お兄ちゃんが起こしてくれたんだよね?」
「ああ...、カリンが一週間ぶりに起きたと聞いたからな」
「一週間?」
その単語を聞いた瞬間、部屋の隅にある大きな袋の正体が分かったような気がしました。
「これって...、皆が持ってきてくれたの?」
「ああ、カリンの友達が持ってきてくれたぞ、中には俺が置いておいた物もあるんだけどな」
部屋の端っこに集まっているお見舞い品の大きさを見て胸が熱くなるのを感じる私は、瞳から一筋の涙を流しました。
(...、皆...ありがとう)
「カリン...どこか痛むのか?」
私の涙を見たお兄ちゃんがそう呟いてくれたので、更に心が満たされていくような感覚を覚えます。
「ううん...、ただ嬉しくて泣いちゃっただけ」
涙を拭いて笑顔を見せると、兄はすごく嬉しそうな表情を浮かべていました。
「よ~し!!、だったら今日はエルシーも呼んで皆で騒がないとな!!」
「えっ...別にいいよ...」
「よくね~よ!、せっかくカリンが起きたんだ、今日は俺が奮発するから安心しろって!」
胸を叩いてニカッと笑う兄の姿はとても眩しく思えます。
「お兄ちゃん...!」
頭を優しく撫でてくれた時には、とても幸福な時間を過ごしていると思いました。
「じゃあ買い出ししてくるわ!、それまではしっかりと寝てろよ!、カリン!」
サッと背中を向けて私の部屋から去ろうとした瞬間に見えてしまったのです。
彼が腰に付けている剣の形状を...。
(あれって...、自称私が身につけていたと同じ物だよね?、何でお兄ちゃんが...?)
「あっ!、お兄ちゃ...」
私が声をかけようとした時には兄の姿は扉の奥に行ってしまっているのでした。
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