なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
304 / 361

しおりを挟む
「...ン!!」

「..リン!!」

 声が聞こえます。

 懐かしいような...聞いたことがあるような...、そんな声。

「カリン!!」

「ひゃ!!」

 私はびっくりしながら飛び起きました。

「カリン!!!」

「へっ!?、お兄ちゃん!?」

 私の前にはお兄ちゃんが存在しています。

 驚きながら喜んでいる表情を浮かべながら、私に抱きついてきたのです。

「カリン!!!」

「お兄ちゃん...苦しい...」

 嬉しいのは分かりましたが、ちょっと苦しいです...。

「あ...悪かった!」

 さっと離れてくれた為、そこまでの被害は受けませんでしたが、女の子はもう少しデリケートに扱って欲しいですね。

 でも...、私のことをそれだけ心配してくれていると言う事はしっかり実感として残っていました。

 私は少しだけ笑うとお兄ちゃんの目を見て微笑みます。

「ありがとう...、お兄ちゃんが起こしてくれたんだよね?」

「ああ...、カリンが一週間ぶりに起きたと聞いたからな」

「一週間?」

 その単語を聞いた瞬間、部屋の隅にある大きな袋の正体が分かったような気がしました。

「これって...、皆が持ってきてくれたの?」

「ああ、カリンの友達が持ってきてくれたぞ、中には俺が置いておいた物もあるんだけどな」

 部屋の端っこに集まっているお見舞い品の大きさを見て胸が熱くなるのを感じる私は、瞳から一筋の涙を流しました。

(...、皆...ありがとう)

「カリン...どこか痛むのか?」

 私の涙を見たお兄ちゃんがそう呟いてくれたので、更に心が満たされていくような感覚を覚えます。

「ううん...、ただ嬉しくて泣いちゃっただけ」

 涙を拭いて笑顔を見せると、兄はすごく嬉しそうな表情を浮かべていました。

「よ~し!!、だったら今日はエルシーも呼んで皆で騒がないとな!!」

「えっ...別にいいよ...」

「よくね~よ!、せっかくカリンが起きたんだ、今日は俺が奮発するから安心しろって!」

 胸を叩いてニカッと笑う兄の姿はとても眩しく思えます。

「お兄ちゃん...!」

 頭を優しく撫でてくれた時には、とても幸福な時間を過ごしていると思いました。

「じゃあ買い出ししてくるわ!、それまではしっかりと寝てろよ!、カリン!」

 サッと背中を向けて私の部屋から去ろうとした瞬間に見えてしまったのです。

 彼が腰に付けている剣の形状を...。

(あれって...、と同じ物だよね?、何でお兄ちゃんが...?)

「あっ!、お兄ちゃ...」

 私が声をかけようとした時には兄の姿は扉の奥に行ってしまっているのでした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

私、のんびり暮らしたいんです!

クロウ
ファンタジー
神様の手違いで死んだ少女は、異世界のとある村で転生した。 神様から貰ったスキルで今世はのんびりと過ごすんだ! しかし番を探しに訪れた第2王子に、番認定をされて……。

処理中です...