なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
296 / 361

どこかの草原の中で...

しおりを挟む
「うん...?」

「お~い!!」

 何か声が聞こえる。

 優しくて幼い声...。

 だけどどこかで聞いた事のあるようなそんな感じがする...。

「起きて!!」

 いきなり頬っぺたをペチペチと叩かれた私は目が覚めました。

「起きた!!」

 最初に目に入ったのは白いワンピースを着た白髪の少女でした。

 彼女はキャッキャッとはしゃぎながら私の目覚めを待っていた様です。

「ねぇ!ねぇ!何して遊ぶ!?」

 いきなりそんな事を言われても何を答えて良いのか分かりません。

「えっ...ああうん...」

「やった!」

 多分彼女は遊んでくれると思ったのでしょう。

 楽しそうに辺りを走り回っています。

 そうして彼女の走り回る姿を見ていると、ここが恐らくクティル王国の平原である事が分かりました。

 なんだか見覚えのある山や森が見えますし、あの池なんかこの前父さんと一緒に来た池の様に思えます。

 っと言うことは...。

 私は後ろを振り向きました。

 すぐ後ろにはクティル王国が...。

 ありませんでした。

「見間違いかな?、もう一度落ち着いて...」

 気を取直しもう一度振り向いて見てもやはりあるのは木で作られた小さな家だけです。

「そんな...」

 私ははしゃぎ続ける彼女に問いただしました。

「ここはどこなの?」

「どこって...、私のお家!」

「そうじゃなくてなんていう国なの?」

「国?、そんなものないよ?」

 純粋そうな瞳を私に向けてくる彼女は嘘をついている様には見えない。

「そんな事より遊ぼうよ!、私ずっと一人で退屈してたんだ!」

「一人って...、お母さんとかお父さんは?」

 一瞬だけ考えてから少女は答える。

「そんな人いないよ?」

(えっ?じゃあこの子今までどうやって生きて...)

 そう思った瞬間、彼女が私の手を引っ張って花畑へと連れて行きました。

「えへへ~すごいでしょう!」

 彼女が自慢げに見せてくれる花の数々は、クティル王国に生息しているものと殆ど変わりません。

 ただ...、物凄く見覚えのある花がありました。

「これって...たんぽぽ?」

 どこからどう見てもたんぽぽの方にしか見えない綿毛の花を1つ手に取りました。

 私がその花を取ると、いきなり反応する少女。

「わぁ~!、貴方はそれが好きなんだね!」

「別に好きって訳じゃ...」

「それ面白いよね~♪、クーの花って言って綿を飛ばして別の領域に花を咲かせるんだって」

 彼女の説明を聞くとますますたんぽぽにしか見えなくなる私。

(いや~...、たんぽぽだわ...)

 まさか異世界にもあるとは...たんぽぽ。

 そんな事を思っていると、少女のお腹がぐ~っとなった。

「お腹すいた~!、ねぇねぇカリン!、一緒に食べよっ!」

「わかったから!慌てない!」

「は~い!」

 なんなのこいつ...とは思いながらも、今はこの少女しか人が見当たらないし、何か分かるまで一緒にいようと思う私なのでした。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...