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慣らし
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~次の日~
「良いぞミライ」
「では始めましょう」
俺と彼女は結界の中へと入り込み、戦う。
勿論俺の実力を引き出す為に手を抜いてくれてはいるのだが、徐々に彼女でも余裕がなくなって来たようだ。
無数にある屍供を背中のスライムに捕食させ消す。
そうして奪ったエネルギーを魔力に変換し自身の成長へと繋げるのが俺の能力。
つまり...、この天使の様な羽は殆ど飾りだと今では思う。
もしかしたら何かしらの条件の下でのみ発動スキルがあるのかもしれないが、今の所その様な感覚は毛ほどにも感じない。
(ふむ...大体の効果適用範囲内がわかって来たぞ)
自らの力の限界点と到達点が何となく見えてきた。
確かに俺はかなり強くなれる...、強くなれるが恐らく...。
「恐らく強くなったとしても賢聖以下だな...」
その言葉を聞いたミライは少しため息を吐いた。
「そう...、ここまでしてもあの方には届かないのね...」
かなり気まずい雰囲気になってしまったのを感じました察してか、彼女は結界を解いた。
まさか俺が禁忌に手を染めても勝てないだろうと思わずにいられない敵が存在するとは思いたく無かったが、恐らく勝てないだろう。
それほどまでに賢聖との力量差は凄まじいのだと実感している。
だが、特訓が無意味とは言えない為、一応続けようとは思っているのだが、やはり彼女のショックが大きいらしく、先程から次の手を考えているようだった。
ブツブツと何やら呟き、新しい方法を模索しているようである。
(今はそっとしておくか...)
俺は取り敢えずこの場を去り自室へと戻った。
~自室~
この部屋はなにも変わらない。
ベッドが1つあるだけの簡素な部屋だ。
俺はそこに横たわり今日起きた事を振り返る。
(剣聖の息子にやられたんだったな...、チッ!せっかく剣聖を倒したってのにこれじゃ意味がない、結局奴が新しい剣聖になるだけなんだろうな...)
でも、そこまで考えると不可解な点が1つ見えてきた。
(...待てよ?、聖人の力は受け渡しが可能なんだよな?、だったらなんでここまで劇的に数を減らしたんだ?)
冷静に考えれば誰でも辿り着く境地にようやく達する。
(まあ...、敵に取られるくらいなら自殺するか...、だいたい自分の命を代償に他人へと力を譲渡する類の能力なのであれば、おいそれと自分の命を捨てる人物など殆どいないだろう...)
剣聖フォロスが息子らしき奴に力を渡した後、その生命力がみるみるうちに減少していくのを感じた。
あれはどう考えても命を譲渡する類の能力であると俺には分かった。
その証拠に剣聖の息子は致命傷から復活して大幅なパワーアップを果たしていたのがいい証拠である。
(余計な事をしてくれたな...、剣聖を倒しても新たな剣聖に譲渡されればイタチごっこにしかならねぇ...)
だが、その考えもすぐに訂正されることになる。
(待てよ...、だったら譲渡される隙を与えずに瞬殺すればいいんじゃないか?)
自分が如何に恐ろしい事を考えているのかこの時になって分かった。
(そうか...、聖人の完全なる消滅の仕方が分かったぞ!、誰かに譲渡される前に全員で叩き潰せばいいんだ...!)
そう確信した時、俺の表情は邪悪に染まっていた。
それと同時に聖人がこの世界から殆ど消失した理由がわかった気がする。
(女神から与えられた力で戦争起こしてりゃ世話ないわな...)
女神は恐らくこの王国を見捨てたのだと、俺は思い眠ることにした。
「良いぞミライ」
「では始めましょう」
俺と彼女は結界の中へと入り込み、戦う。
勿論俺の実力を引き出す為に手を抜いてくれてはいるのだが、徐々に彼女でも余裕がなくなって来たようだ。
無数にある屍供を背中のスライムに捕食させ消す。
そうして奪ったエネルギーを魔力に変換し自身の成長へと繋げるのが俺の能力。
つまり...、この天使の様な羽は殆ど飾りだと今では思う。
もしかしたら何かしらの条件の下でのみ発動スキルがあるのかもしれないが、今の所その様な感覚は毛ほどにも感じない。
(ふむ...大体の効果適用範囲内がわかって来たぞ)
自らの力の限界点と到達点が何となく見えてきた。
確かに俺はかなり強くなれる...、強くなれるが恐らく...。
「恐らく強くなったとしても賢聖以下だな...」
その言葉を聞いたミライは少しため息を吐いた。
「そう...、ここまでしてもあの方には届かないのね...」
かなり気まずい雰囲気になってしまったのを感じました察してか、彼女は結界を解いた。
まさか俺が禁忌に手を染めても勝てないだろうと思わずにいられない敵が存在するとは思いたく無かったが、恐らく勝てないだろう。
それほどまでに賢聖との力量差は凄まじいのだと実感している。
だが、特訓が無意味とは言えない為、一応続けようとは思っているのだが、やはり彼女のショックが大きいらしく、先程から次の手を考えているようだった。
ブツブツと何やら呟き、新しい方法を模索しているようである。
(今はそっとしておくか...)
俺は取り敢えずこの場を去り自室へと戻った。
~自室~
この部屋はなにも変わらない。
ベッドが1つあるだけの簡素な部屋だ。
俺はそこに横たわり今日起きた事を振り返る。
(剣聖の息子にやられたんだったな...、チッ!せっかく剣聖を倒したってのにこれじゃ意味がない、結局奴が新しい剣聖になるだけなんだろうな...)
でも、そこまで考えると不可解な点が1つ見えてきた。
(...待てよ?、聖人の力は受け渡しが可能なんだよな?、だったらなんでここまで劇的に数を減らしたんだ?)
冷静に考えれば誰でも辿り着く境地にようやく達する。
(まあ...、敵に取られるくらいなら自殺するか...、だいたい自分の命を代償に他人へと力を譲渡する類の能力なのであれば、おいそれと自分の命を捨てる人物など殆どいないだろう...)
剣聖フォロスが息子らしき奴に力を渡した後、その生命力がみるみるうちに減少していくのを感じた。
あれはどう考えても命を譲渡する類の能力であると俺には分かった。
その証拠に剣聖の息子は致命傷から復活して大幅なパワーアップを果たしていたのがいい証拠である。
(余計な事をしてくれたな...、剣聖を倒しても新たな剣聖に譲渡されればイタチごっこにしかならねぇ...)
だが、その考えもすぐに訂正されることになる。
(待てよ...、だったら譲渡される隙を与えずに瞬殺すればいいんじゃないか?)
自分が如何に恐ろしい事を考えているのかこの時になって分かった。
(そうか...、聖人の完全なる消滅の仕方が分かったぞ!、誰かに譲渡される前に全員で叩き潰せばいいんだ...!)
そう確信した時、俺の表情は邪悪に染まっていた。
それと同時に聖人がこの世界から殆ど消失した理由がわかった気がする。
(女神から与えられた力で戦争起こしてりゃ世話ないわな...)
女神は恐らくこの王国を見捨てたのだと、俺は思い眠ることにした。
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