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エルシーとデート②
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~城の練兵場~
俺達はそこで手合わせをしていた。
冒険者と騎士の戦いは実に胸が踊る。
剣と魔術を互いに放ち合うその様は、一見すると殺し合いの様に思えるかもしれないが、両者共にスポーツでもやっているかの様な表情を浮かべていた。
「なるほど、そう言う戦い方か...」
「そうそう、騎士って奴はお堅いから自分の持ってるスキルと剣以外は使おうとしないけど、冒険者は別」
彼女は笑顔のまま両手を広げながら槍を出現させた。
「今度は槍か...」
「さっきは短剣、今度は槍、でも本命は?」
彼女が質問する様に投げかけてくるが、俺には答えが見えていた。
「これだろ?」
直ぐ様後ろに振り向き、向かってくる木製のブーメランを叩き切った。
それを見た彼女が口笛を吹いて賞賛する。
「ヒュー♪、やるじゃん!、流石王国騎士ね...」
「そっちこそ...、一流の冒険者の話に偽り無しだな...」
お互いにニヤリと笑うと再び構え直す。
一歩も譲らない攻防が続く。
エルシーはこれまでに蓄えた冒険者としての技能と狡猾さを武器に、ローシュは騎士として鍛えあげられた肉体と精神を誇りに。
互いのプライドのぶつかり合いは激しくも美しい。
これがデートかと言われれば、そうでないと答えるしかないと思うのだが、二人が楽しそうに武を決する様は青春の1ページにしっかりと刻まれて行くのだった。
~終了~
「やっぱ強いな~エルシーは」
「いや、あんたの方が強いわよ、ローシュ」
お互いに謙遜し合うが、お互いが共に自分の方が強いと思っている。
勿論、ローシュが剣聖としての力を使わず、自身の力のみで戦う場合ではあるが...。
その事が気になったエルシーは彼に声をかける。
「ねぇ...、どうして剣聖の力を使わないの?」
「ああ、剣聖の力は親父の力であり俺の力ではない、だからこそ王国や大切な人が危険に晒されている様な時にしか使っちゃいけないんだよ」
「そう言うものなの?」
「そう言うものだ」
「なにそれ、せっかく手に入れた力を自ら制限するのっておかしくない?」
「おかしいと思うか思わないかは俺が決める事だ、それに親父の力で相手を倒しても仕方ないだろ」
彼女に何を言われようが、俺の意思は変わらない。
俺は自らの剣を抜き放ちこう呟いた。
「これは親父だ...、俺が親父の骨を錬成して作った最強の剣...、故にこれを振るう時は家族や大切な人を守る時のみに限定している」
「ふ~ん...、剣聖の剣か...、確かに見事な出来栄えね、世界中を探してもこれを超える剣はそう無いでしょうね」
掲げられた剣を眺める彼女の言葉に嘘偽りは無かった。
本当に心のそこから親父の剣を褒められていると実感した時、なんとも言えない高揚感が俺を包んだ。
(ありがとうエルシー)
俺は心の中でそう呟くと、不意にこんな事を思った。
(そうだ!、この剣の名前は親父にちなんでフォロスにしよう...、聖剣フォロス...、うん!しっくりくる!)
俺はゆっくりと剣を鞘に納め、静かに呟いた。
「これからも宜しくな...親父...」
そんな俺の独り言を聞いて笑う彼女。
「剣に親父って...、ふふっ意外と可愛いとこあるのねローシュ」
「なっ!...」
彼女にそう言われると、少し恥ずかしくなったのは内緒だぞ!。
俺達はそこで手合わせをしていた。
冒険者と騎士の戦いは実に胸が踊る。
剣と魔術を互いに放ち合うその様は、一見すると殺し合いの様に思えるかもしれないが、両者共にスポーツでもやっているかの様な表情を浮かべていた。
「なるほど、そう言う戦い方か...」
「そうそう、騎士って奴はお堅いから自分の持ってるスキルと剣以外は使おうとしないけど、冒険者は別」
彼女は笑顔のまま両手を広げながら槍を出現させた。
「今度は槍か...」
「さっきは短剣、今度は槍、でも本命は?」
彼女が質問する様に投げかけてくるが、俺には答えが見えていた。
「これだろ?」
直ぐ様後ろに振り向き、向かってくる木製のブーメランを叩き切った。
それを見た彼女が口笛を吹いて賞賛する。
「ヒュー♪、やるじゃん!、流石王国騎士ね...」
「そっちこそ...、一流の冒険者の話に偽り無しだな...」
お互いにニヤリと笑うと再び構え直す。
一歩も譲らない攻防が続く。
エルシーはこれまでに蓄えた冒険者としての技能と狡猾さを武器に、ローシュは騎士として鍛えあげられた肉体と精神を誇りに。
互いのプライドのぶつかり合いは激しくも美しい。
これがデートかと言われれば、そうでないと答えるしかないと思うのだが、二人が楽しそうに武を決する様は青春の1ページにしっかりと刻まれて行くのだった。
~終了~
「やっぱ強いな~エルシーは」
「いや、あんたの方が強いわよ、ローシュ」
お互いに謙遜し合うが、お互いが共に自分の方が強いと思っている。
勿論、ローシュが剣聖としての力を使わず、自身の力のみで戦う場合ではあるが...。
その事が気になったエルシーは彼に声をかける。
「ねぇ...、どうして剣聖の力を使わないの?」
「ああ、剣聖の力は親父の力であり俺の力ではない、だからこそ王国や大切な人が危険に晒されている様な時にしか使っちゃいけないんだよ」
「そう言うものなの?」
「そう言うものだ」
「なにそれ、せっかく手に入れた力を自ら制限するのっておかしくない?」
「おかしいと思うか思わないかは俺が決める事だ、それに親父の力で相手を倒しても仕方ないだろ」
彼女に何を言われようが、俺の意思は変わらない。
俺は自らの剣を抜き放ちこう呟いた。
「これは親父だ...、俺が親父の骨を錬成して作った最強の剣...、故にこれを振るう時は家族や大切な人を守る時のみに限定している」
「ふ~ん...、剣聖の剣か...、確かに見事な出来栄えね、世界中を探してもこれを超える剣はそう無いでしょうね」
掲げられた剣を眺める彼女の言葉に嘘偽りは無かった。
本当に心のそこから親父の剣を褒められていると実感した時、なんとも言えない高揚感が俺を包んだ。
(ありがとうエルシー)
俺は心の中でそう呟くと、不意にこんな事を思った。
(そうだ!、この剣の名前は親父にちなんでフォロスにしよう...、聖剣フォロス...、うん!しっくりくる!)
俺はゆっくりと剣を鞘に納め、静かに呟いた。
「これからも宜しくな...親父...」
そんな俺の独り言を聞いて笑う彼女。
「剣に親父って...、ふふっ意外と可愛いとこあるのねローシュ」
「なっ!...」
彼女にそう言われると、少し恥ずかしくなったのは内緒だぞ!。
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