なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
275 / 361

エレネアという少女

しおりを挟む
「エレネア...、お前俺の妹に何してた!」

 声を張り上げながら剣を奴に向ける。

「お兄ちゃん!?、何してるの!?」

 横でカリンがなんと言おうと、俺は彼女に刃を向ける事をやめれないだろう。

「あら...、あの時の少年ね、何?今更私を殺しにきたの?」

 その言葉は短かったが、深い意味を感じずにはいられない。

「...カリン...行くぞ」

 俺が何も言わずに妹の腕を握りその場を後にしようとすると「ちょっと待って!」と言われ手を振りほどかれた。

「お兄ちゃん?、いつもと様子が違うよね?、今のお兄ちゃんなんか変んだよ...」

「何もおかしくなんかないよ、早くここから帰ろう、そしてあんな子の事はすぐに忘れるんだ」

「なんで...?、ッ!!お兄ちゃん痛い!」

 俺が妹を無理やり連れて行こうとすると、クスクスと笑う彼女。

「そうやってまた人の人生を強制するのね...、貴方達人間は...、あ~おかしい...」

「なんだと...?」

 俺は思わず彼女を睨みつける。

「俺はカリンを助けにきただけだ...、お前みたいな食人植物の側に妹を置いておけるかよ!」

 こいつを前にすると冷静ではいられなくなる。

 特に今は守るべき妹がすぐ側にいるから余計である。

(早くカリンを安全な場所に...!)

 最低限、町の中にいてくれないと不安で仕方ない。

 こんな奴と一緒に妹がいる事自体が許せないのだ。

「お兄ちゃん!なんでそんな怖い顔してるの?、エレネアは良い子だよ?」

 カリンのその言葉に俺は思わず笑ってしまった。

「こいつが良い奴?、...ハッ!そんなわけないな!、いいかカリン...、こいつはな俺の仲間を何人もテメェの栄養に変えてきたやつなんだ!、カリンがなんと言おうとその事実だけは変わらない」

「本当なのエレネア...?」

 妹の言葉に彼女は答える。

「ええ、本当よ...、その人の言ってる事は事実...、私は王国魔法騎士団の命をかなり奪ってしまっている...」

「そんな...」

 妹は絶句したような表情を浮かべたまま、彼女を見据えています。

「でもそれは...、そいつら人間に私がキメラにされたからで私の意思ではない、それに今ではもう人の命を無闇に奪ったりしてないわ」

「い~や信用ならないな...、特にお前の言葉は...」

 しっかりうたがり深く彼女を観察していると、不意に彼女はこう呟きました。

「可哀想な人間...、あれからずっと私が人を食い続けていると疑っているのかしら?」

「当然だろ?、だってお前はキメラなんだからな」

 これだけは譲らない。

 俺は警戒しながら彼女の方を見ているのでした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...