272 / 361
電撃の一撃...
しおりを挟む
俺は隙を伺いながら何度か打ち合い、ついに隙を確認できたので盾を構えました。
それに彼女が小刀で攻撃してきた瞬間を狙い、放電を開始しました。
「お前の電撃だ...、しっかりと味わえ!」
「!?」
盾から溜まりに溜まった電撃が一気に放出され、天をも焦がす量の閃光が飛び散りました。
明らかに常軌を逸した威力をほこるそれは、電撃耐性を持つエリサにさえ通じたのでしょう。
「ぁ!?ぁあああああああ!!」
彼女の悲痛な叫びが辺りに響き渡り、肉の焼ける匂いがこちらにまで届いてくる。
嫌な匂いだ...。
戦争中に何度も嗅いだが、結局慣れることはなかったこの匂いを嗅ぐと嫌でも理解させられる。
人が焼け死に、黒焦げになっているのだと...。
しばらく様子を見ていたが、全身の筋肉がおかしいほどに痙攣するその様は、まるで動かないはずの筋肉を無理やり動かして生命活動を繋ぎ止めようとする人間としての本能のようにも思えた。
「...、このままにしておくのも悪いな...」
俺は一度敬礼し、彼女には敬意を持って剣を天高く振り上げた。
「輪廻教徒エリサよ!、我が王国に仇なしたものとして、クティル王国騎士団ローシュが正義の鉄槌を下す!、安らかに眠れ...」
ザシュッ...。
肉を裂く確かな感触は、俺の手にしっかりと染み付いて記憶されて行く...。
「嫌な仕事だよな...、王国の騎士ってのもよ...」
相手が魔物ならまだいい...、だが相手が悪人とは言え人間だと思う所がある。
これまでにも俺は沢山の命を奪ってきた、動物、魔物、そして人間...。
全てはクティル王国の未来の為、そして最愛の妹の幸せの為に...。
そのためならば、俺はこの手を何度血に染めても構わないと決心していたのだが、やはり辛い...。
彼女の年は俺と同じくらいだろうか?、別にこの歳で死ぬのが珍しい訳ではない、だいたいもっと小さい子達も前の戦争の時に多くがなくなっている。
ただ...、表面上は平和になった世界でも、裏側はこんなにも酷いのだと思わずにはいられなかった。
(妹にこんな仕事はさせられない...、絶対に俺たちの代で輪廻教を...、いや...悠久の魔女を心から崇拝する奴らを皆殺しにしてやる...!)
黒焦げのまま横たわる彼女の死骸を見て気分を悪くした俺は、何も言わずにその場を去り、さっきの建物を調べ始めるのでした。
それに彼女が小刀で攻撃してきた瞬間を狙い、放電を開始しました。
「お前の電撃だ...、しっかりと味わえ!」
「!?」
盾から溜まりに溜まった電撃が一気に放出され、天をも焦がす量の閃光が飛び散りました。
明らかに常軌を逸した威力をほこるそれは、電撃耐性を持つエリサにさえ通じたのでしょう。
「ぁ!?ぁあああああああ!!」
彼女の悲痛な叫びが辺りに響き渡り、肉の焼ける匂いがこちらにまで届いてくる。
嫌な匂いだ...。
戦争中に何度も嗅いだが、結局慣れることはなかったこの匂いを嗅ぐと嫌でも理解させられる。
人が焼け死に、黒焦げになっているのだと...。
しばらく様子を見ていたが、全身の筋肉がおかしいほどに痙攣するその様は、まるで動かないはずの筋肉を無理やり動かして生命活動を繋ぎ止めようとする人間としての本能のようにも思えた。
「...、このままにしておくのも悪いな...」
俺は一度敬礼し、彼女には敬意を持って剣を天高く振り上げた。
「輪廻教徒エリサよ!、我が王国に仇なしたものとして、クティル王国騎士団ローシュが正義の鉄槌を下す!、安らかに眠れ...」
ザシュッ...。
肉を裂く確かな感触は、俺の手にしっかりと染み付いて記憶されて行く...。
「嫌な仕事だよな...、王国の騎士ってのもよ...」
相手が魔物ならまだいい...、だが相手が悪人とは言え人間だと思う所がある。
これまでにも俺は沢山の命を奪ってきた、動物、魔物、そして人間...。
全てはクティル王国の未来の為、そして最愛の妹の幸せの為に...。
そのためならば、俺はこの手を何度血に染めても構わないと決心していたのだが、やはり辛い...。
彼女の年は俺と同じくらいだろうか?、別にこの歳で死ぬのが珍しい訳ではない、だいたいもっと小さい子達も前の戦争の時に多くがなくなっている。
ただ...、表面上は平和になった世界でも、裏側はこんなにも酷いのだと思わずにはいられなかった。
(妹にこんな仕事はさせられない...、絶対に俺たちの代で輪廻教を...、いや...悠久の魔女を心から崇拝する奴らを皆殺しにしてやる...!)
黒焦げのまま横たわる彼女の死骸を見て気分を悪くした俺は、何も言わずにその場を去り、さっきの建物を調べ始めるのでした。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される
紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。
それを見た神様は新たな人生を与える
親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。
果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️
初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず
シュミー
恋愛
私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。
けど
モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。
モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。
私はモブじゃなかったっけ?
R-15は保険です。
ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。
注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜
ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。
全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。
神様は勘違いしていたらしい。
形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!!
……ラッキーサイコー!!!
すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。


このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる