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「...?」
何かに付けられている気がして振り返りますが誰もいません。
さっきまでエリサと遊んでいたので敏感になっているだけかも知れませんが、何かを察知する私。
「出てきて良いよ、誰だか知らないけど、私に用があるんでしょ?」
私がそう呟くと、どこからとも無く白装束の誰かが現れました。
「気がついていたか...」
「あなたは...!、あの時の!」
クティル王国祭にて、私とパニラを謎の空間に閉じ込めた奴が再び目の前に現れたのでした。
「丁度良かった...、あなたには聞きたいことがあったの...」
「聞きたいこと?」
奴は何か不満そうな声をあげました。
「その装束...、輪廻教徒だよね?、エリサの仲間なの?」
「エリサ...か、懐かしい名前だ...」
「懐かしい?、エリサは今も輪廻教徒だよね?」
明らかに不自然な言動を行う彼女を怪しんで睨む私でしたが、彼女はハハッと笑いながら失敬とばかりに手を払った。
「そうだったな...、私はエリサの仲間さ」
「そうだろうね...、っで?そのエリサの仲間が私に何の用?」
嫌な空気を感じながらも彼女に質問すると、意味のなさそうな質問を逆に返された。
「ああ...、カリンよ...、今の自分に満足しているか?」
「急に何?」
「家族、友人、環境...、詰まるところ今のこのクティル王国に満足しているのか?と聞いている」
...?、質問の意味がわからないが、私の中にもう答えはあった。
胸に手を置いて彼女にこう呟く。
「私は...、今の生活に満足しています!、このクティル王国に存在する全ての物が私の成長を促す宝物だとさえ思っています!」
恥ずかしい言葉だが、これは恥ずかしくない。
自分の心の奥底から溢れ出た真の答え。
だからこそ恥ずべき事などないのだ。
「母さん、父さん、お兄ちゃん、エルシーさん、学校の皆にプラム先生...、そして...、クティル王国にある物全てが私の宝物です!」
言い切った。
少なくとも私はこの世界にきて、心の奥底から消えてしまいたいと思ったらことはない。
それだけでも前世よりは遥かにいい場所だと言えるだろう。
それを聞いた彼女はただ静かに笑っていた。
「ハハッ...、やっぱりあなたは...、×××だ」
「はっ?」
意味のわからない言葉に惑わされる私。
「ちょっと意味がわからないんだけど...」
「意味なんて分からなくても良い、どう足掻いたってあなたは×××なんだから...」
やはり意味がわからない...。
「私が×××?」
「そう...×××」
何度聞いても意味がわからなかったが、最後に彼女がこう呟いた時、一つの核心を得る。
「私は失敗しちゃったから...、貴女は自分を大切にしてね...、『林華』...」
「!?、待っ!」
私が言い終わる前に彼女は笑みを浮かべながら消えてしまい、私のスキル欄に『輪廻・餅月林華』というスキルが新たに出現しました。
「...嘘だ...」
何となく察する私...。
いや...、でも...、確証がありません。
「カリン...」
頭の上から心配そうに私の名前を呟くアアルをそっと撫で上げる。
「大丈夫だよアアル...、私は大丈夫だから...」
少し疲れてしまいました...。
彼女の話を全て鵜呑みにする訳にはいきませんが、私が今こうして新たなるスキルを得たのがある意味答えなのかも知れません。
「帰ろう...アアル...」
「うん...、でもこれだけは言わせて...、君がどんな道を選ぼうとも、君の召喚獣である僕は永遠に君の味方だからね」
「ふふっ...、そうだね、ありがとうアアル」
彼の計らいにより少しだけ元気が出る私。
ふうっと息を吐いて夕暮れ時の町をただただ歩き続けるのでした。
何かに付けられている気がして振り返りますが誰もいません。
さっきまでエリサと遊んでいたので敏感になっているだけかも知れませんが、何かを察知する私。
「出てきて良いよ、誰だか知らないけど、私に用があるんでしょ?」
私がそう呟くと、どこからとも無く白装束の誰かが現れました。
「気がついていたか...」
「あなたは...!、あの時の!」
クティル王国祭にて、私とパニラを謎の空間に閉じ込めた奴が再び目の前に現れたのでした。
「丁度良かった...、あなたには聞きたいことがあったの...」
「聞きたいこと?」
奴は何か不満そうな声をあげました。
「その装束...、輪廻教徒だよね?、エリサの仲間なの?」
「エリサ...か、懐かしい名前だ...」
「懐かしい?、エリサは今も輪廻教徒だよね?」
明らかに不自然な言動を行う彼女を怪しんで睨む私でしたが、彼女はハハッと笑いながら失敬とばかりに手を払った。
「そうだったな...、私はエリサの仲間さ」
「そうだろうね...、っで?そのエリサの仲間が私に何の用?」
嫌な空気を感じながらも彼女に質問すると、意味のなさそうな質問を逆に返された。
「ああ...、カリンよ...、今の自分に満足しているか?」
「急に何?」
「家族、友人、環境...、詰まるところ今のこのクティル王国に満足しているのか?と聞いている」
...?、質問の意味がわからないが、私の中にもう答えはあった。
胸に手を置いて彼女にこう呟く。
「私は...、今の生活に満足しています!、このクティル王国に存在する全ての物が私の成長を促す宝物だとさえ思っています!」
恥ずかしい言葉だが、これは恥ずかしくない。
自分の心の奥底から溢れ出た真の答え。
だからこそ恥ずべき事などないのだ。
「母さん、父さん、お兄ちゃん、エルシーさん、学校の皆にプラム先生...、そして...、クティル王国にある物全てが私の宝物です!」
言い切った。
少なくとも私はこの世界にきて、心の奥底から消えてしまいたいと思ったらことはない。
それだけでも前世よりは遥かにいい場所だと言えるだろう。
それを聞いた彼女はただ静かに笑っていた。
「ハハッ...、やっぱりあなたは...、×××だ」
「はっ?」
意味のわからない言葉に惑わされる私。
「ちょっと意味がわからないんだけど...」
「意味なんて分からなくても良い、どう足掻いたってあなたは×××なんだから...」
やはり意味がわからない...。
「私が×××?」
「そう...×××」
何度聞いても意味がわからなかったが、最後に彼女がこう呟いた時、一つの核心を得る。
「私は失敗しちゃったから...、貴女は自分を大切にしてね...、『林華』...」
「!?、待っ!」
私が言い終わる前に彼女は笑みを浮かべながら消えてしまい、私のスキル欄に『輪廻・餅月林華』というスキルが新たに出現しました。
「...嘘だ...」
何となく察する私...。
いや...、でも...、確証がありません。
「カリン...」
頭の上から心配そうに私の名前を呟くアアルをそっと撫で上げる。
「大丈夫だよアアル...、私は大丈夫だから...」
少し疲れてしまいました...。
彼女の話を全て鵜呑みにする訳にはいきませんが、私が今こうして新たなるスキルを得たのがある意味答えなのかも知れません。
「帰ろう...アアル...」
「うん...、でもこれだけは言わせて...、君がどんな道を選ぼうとも、君の召喚獣である僕は永遠に君の味方だからね」
「ふふっ...、そうだね、ありがとうアアル」
彼の計らいにより少しだけ元気が出る私。
ふうっと息を吐いて夕暮れ時の町をただただ歩き続けるのでした。
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