なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
242 / 361

輪廻教の料理事情

しおりを挟む
「朝ごはんできたよ~」

「わ~い!」

 一番に食卓へと飛び出してくるのはいつもエリサです。

「メルラが来てから毎日ご飯が楽しみだよ~!」

 凄く嬉しそうな彼女を見ていると、私も幸せになってしまいそうな気持ちになります。

「ちょっと待ってね、ミライさんとゴウさんがもう少しで朝の儀式を終わらせてくるから」

「え~...、せっかくメルラが作ってくれたサンドイッチが冷えちゃうよ~...」

 きっと彼女はカリカリっとしたベーコンを所望なのでしょう...。
 確かにベーコンは焼きたての方が美味しく食べられると言うのには同意しますね。

「この匂いは...、焼きたてのベーコンかしら?」

 噂をすれば2人が魔人様のいる部屋から降りて来ました。

「ほう...、やはりメルラの料理はとても見た目がいいな」

 その発言をしたゴウさんに2人の痛い視線が突き刺さります。

「「悪かったわね!」」

「あはは...、まあ2人共、落ち着いて食べましょう」

 私は苦笑いをしながら2人を席に案内します。

「「「「頂きます」」」」

 私たちは一斉に食事を開始しました。
 本日の朝食はベーコン入りマスタードサンドイッチと、豆のスープです。
 自分で作ったサンドイッチを食べてみると、我ながらいい出来だと思えました。
 カリカリのベーコンに程よい酸味のマスタードがよく合い、シャキシャキとした生の野菜がベーコンの脂っぽさを取り除いて見事に調和しています。

「「美味しい!」」

「美味い!」

 3人目ともが同じような意見を述べた時、不覚にもちょっと笑ってしまいました。

「あはっ、3人ともありがとうございます」

 照れ臭そうにする3人を見ていると、なんだか和んでしまいますね。
 ここが本当に輪廻教の本拠地だとは思えないほどに平和な感じがしてなりません。
 私の作った料理を食べて笑顔になる人がいる...。
 その事実は嬉しいと思います。

「メルラの料理ってなんでも美味しいよね!、私苦手な野菜一杯あったけど、メルラが調理すると結構食べられるようになったんだよ!」

 彼女の言っていることは間違いではありません。
 エリサさんは確かに好き嫌いが多い子でした。
 ですが、それはあくまでも調理の仕方による苦手がほとんどだったのです。
 言い方は悪いですけど、ここにいる人たちは皆料理が得意とは言えず、試しにほかの人たちの調理方法を見てみると、びっくりしてしまいました。
 焼く以外の方法を知らないのか!と言いたくなるほど生のままで焼く。
 たったこれだけなのです。
 そりゃ美味しくなる物もありますけど...、調味料さえ使わないその潔さには笑いが溢れてしまいました。

(本当に私が来なかったら食生活絶望的だったんだな...輪廻教...)

 私が来てからはそんなこともなく、ちゃんとした料理を毎日提供しています。
 その結果もあってか、みんな肌に艶が見え始め、魔力などの精神面も向上したように見えますね。

(やっぱり食事って大切なんだな...)

 改めて食事の凄さを見に染みて体験した私なのでした。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...