なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
239 / 361

似合ってる

しおりを挟む
「これつけてみていい?」

 どことなくネックレスを着けるのを躊躇っているように見えます。

「ああいいぜ、てか...もうエルシーの物だしな」

 もう俺の手を離れたので彼女の物だというのに、着用するのに一言お礼を言う彼女は可愛いと思う。
 少し恥ずかしそうにしながら、俺の前でネックレスを着ける彼女。
 それをつけた彼女の感想は...。

「うん!軽いし動きの邪魔にならない!、それに...」

 ちょっと外に出て確認しいる彼女。
 数秒経ってからこちらを見てニカッと笑いました。

「あんま寒くない感じがする!」

 あれだけ喜んでくれているのであれば、俺も渡した甲斐があると言うものです。

「似合ってるぞエルシー」

 俺の言葉に対し、少しだけ顔を赤らめる彼女。

「べ...、別に褒められたからって何も出ないわよ!」

 慌てている彼女の姿も可愛らしいと思い、微笑む俺。

「別にいいさ、俺は君の笑っている姿が一番好きなんだから...」

「えっ...と、それ告白のつもり...?」

 そう聞かれた時、辺りに気まずい緊張感が走る。
 どう答えて良いか分からなくなってしまう。

(何故だ...、妹には普通に好きだと言うことを伝えれるのに、彼女には伝えづらい感じがする...)

 お互いに何も言えない時間が過ぎていくのは居心地が悪い...。
 店の中は賑わっている声が聞こえるのに、俺たちのいるこの空間だけが切り離されているようである。

(今がチャンスだ...、言えっ!言うんだ俺ぇぇ!!)

「...あのっ!」

「ちょっとまって!」

 俺が勇気を出した瞬間に彼女が声を被せてきた。

「なんだ?」

「今からローシュが言おうとしてること、大体予想ができる...、できるからこそこれだけは言わせて欲しい...」

 しっかりと力強い視線でこちらを見据える彼女...。
 胸に手を置いて呟き始めた。

「私は冒険者です...、いつ命を落とすかわかりません」

 何処かで聞いたことのある言葉だ...。

「わかってる...」

「私は踊り子です、色んな人達に目で楽しんでもらい、自分を売るのが商売の一つです」

「それもわかってる」

 これも問題ない、彼女のその仕事こそが美しいと感じたのだから...。

「私はある人のお姉ちゃんです、妹が成人するまではこの町に留まり続け稼がなくてはなりません、それでも良いですか?」

「構わない、エルシーの妹なら俺も面倒を見るよ...」

「最後に...、本当に私で良いんですね?」

 真剣な表情でそう呟く彼女だったが、俺の決意が揺らぐことは無い。

「ああ、俺は君が良いんだエルシー...」

 さっきまでの異様な恥ずかしさはいつのまにか無くなっていた。
 俺は心の奥底から彼女を愛しているからである。
 雪が降り積もる中、俺と彼女は結ばれたのだった...。

 ~ある年初めの一日~



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...