なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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ちょっとお散歩

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「ふぅ~...ご馳走様!」

 彼女は俺にお礼を言ってきました。
 その時の表情はとても嬉しそうだったのを覚えています。

「ああ、こちらから誘ったし当然だ」

「気前がいいねローシュは、私そう言う男嫌いじゃないよ」

 にししと笑う彼女はとても美しいと思える。

「男は度胸だしな!、気前がいいのは当たり前さ」

 俺も彼女に笑顔を返す。
 二人で年初めの町をゆっくりと歩いた。
 日はすっかり落ちてしまってはいるが、所々に魔法で光が灯っている為、そこまで暗くはないように感じる。
 そのおかげか白い息を吐く彼女が見えたので、俺は何かプレゼントをしてあげようと思うのだった。

「エルシー...、寒くないか?」

「一応防寒着はいくつか備えてあるけど...、やっぱりまだ寒いわね、帰ったら暖かいお風呂に入りたい」

 そう呟く彼女を見た俺は一声かける。

「なぁエルシー、ちょっと寄り道していかないか?」

「えっ?、別にいいけど...」

「じゃあ決まりだな」

 俺は彼女の手を握ってとあるお店に向かうのだった。

「ちょっと!ローシュ!」

「いいからいいから!、俺についてこいって!」

 彼女の声が後ろから聞こえるが、これも作戦のうちである。
 今のうちから積極的にアプローチをかけて行けばいずれは...。
 二人の未来を一瞬だけ想像したらニヤケが止まらなくなる俺。

(いや~...、彼女か...なんかいいな!)

 ちょっとだけ振り返り彼女の様子を見てみると、若干恥ずかしそうにしているのが表情から読み取れた。
 年の近しい男に手を握られていれば当然かもしれない。
 俺も正直ちょっと恥ずかしいが、男がリードしなきゃ行けないよな!?。
 そうこうしているとお目当てのお店に着いた。

 ~服屋~

「いらしゃいませ~、本日からクティル王国は冬でございますよ~」

 店員さんの声が店内に響くくらいには小さいお店だが、俺はよくここに服を買いに来る。
 この店は値段の割に質の良い服を売っている為、冒険者だけでなく一般の人たちにも知られている名店なのだ。
 ただ...、立地条件が悪く目立ち辛い場所にある為、知る人ぞ知る名店っと言った方がいいのかもしれない。
 何でこんな場所に店を構えたんだ!と言われているところを良く見る。

「こんな所に服屋なんてあったんだ...」

 彼女も少し驚いているようだ。

「まあな、ここ結構いい物売ってるからな、おっ!これなんかどうだ?エルシーに似合いそうだぞ」

 俺はそう言って赤いマフラーを指さしましたが...。

「赤色はファッションにはいいけど冒険には向かないのよね~...、特に森とかだと場所が丸見えになっちゃうし、洞窟とかでも位置が割れやすくなるから却下かな~」

 彼女が冒険者だったのをこの言葉で思い出した。

(赤いマフラー...、絶対エルシーが巻けば映えると思うんだけどな)

 ちょっと重い浮かべて見ます。
 緑色の髪と赤いマフラーを舞わせながら踊る彼女を...。

「うん!格好いい!」

「誰に言ってるの?」

 あくまで俺の妄想の中だけなので彼女には伝わりません。
 これは失敗したかなと思いつつも次の商品を指さしました。

「あれなんかどうかな?」

「ああ...、あれね...、悪くないかも...」

 そう言って俺が指差したのは赤い羽の形をしたネックレスでした。


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