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訪ね人
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… ローシュとカリンちゃんが家から出て行って数分後。
家に貼ってある私の魔力感知に何かが引っかかったので玄関に確認へ向かいました。
すると見たことのある白髪の男がお辞儀をしていたのです。
「明けましておめでとうございますエルカ殿...」
「氷聖...、ジスカ...」
私は嫌な感じを彼から感じました。
彼を一眼見ただけで鳥肌が立ちます。
でも一応彼も女神クティル選ばれた聖人ではある為、家に上げない訳には行きません。
「どうぞ上がって頂戴」
「どうも」
ニヤニヤ笑う彼の姿を何処と無く不快に思う私。
リビングにあるソファーに彼を座らせ、お茶の用意をしました。
「どうぞ」
「ありがとう、遠慮なく頂きます」
何も不審がることなく出された紅茶を飲むあたり、彼の私に対する信頼はあるようです。
「美味しいですよ」
ニコッと爽やかな笑顔を浮かべてはいるのだが、何故だろうか?、私は彼のこの表情が苦手でした。
そう...、あの時からずっと...。
「ところでジスカ、私に何の用?、わざわざ挨拶しに来ただけってことではないのでしょう?」
「ふふっ...、まあね」
できれば一刻も早く出て行って欲しいのですけど、彼からは有力な情報を得られることも多い為邪険にはできません。
一体何処からそんな情報を仕入れて来れるのかさっぱり分かりませんけど、情報量だけで言えば右に出る者がいない程の情報通でもあるのです。
私はそんな彼を見てハァっとため息を吐きました。
彼の口からあの言葉が出るまでは。
「所で...、いつ娘さんに賢聖の儀を施すのですか?、できるだけ早めの方が貴女様に負担をかけないで済むと思うんですけどね~」
正直イラっときます。
私は娘に賢聖の血筋を継承するつもりなどさらさらないのですから...。
「いえ、まだいいかな~なんて...」
とりあえず、とぼけたふりをしてお茶を濁しますが、その問いは彼を楽しませるだけなのでした。
「...、早めに授けた方がいいですよ...、それに女神様の力は継承しない限り年を重ねれば重ねる程弱まる、いわば呪いの類ですからね」
ニヤニヤと笑う彼の表情が気に入らない。
「お気遣い結構です!、それに女神クティルの力を、呪いだなんていう人の言葉こそ信用できないわ!」
勿論突っぱねましたが、彼はそれでも笑みを浮かべているので気持ち悪い。
聖人になった全ての人が知っている真実をいわれ焦りが隠せなくなる。
分かってはいる...、だけど未だあの魔女を消し去る方法が見つからないのだ。
そんな状況で娘に重荷を背負わせるわけにはいかないと思う私。
「もう少しだけ時間を頂戴...、私が必ず...」
「その言葉を吐き続けて早7年...、未来設計はお早めに...」
ポンっと私の肩を叩いた彼は、屋敷を後にしていきました。
その楽しそうな背中を歯を噛み締めながら見ることしかできない自分に腹が立つ。
(女神様...、なぜ貴女は私にこんな選択を与えるのですか?)
神を呪っても仕方ないのは分かっています。
だけれど...、私は...。
じわぁっと涙が溢れるのを堪えるという行為は、私にとって辛くなってきているのでした。
家に貼ってある私の魔力感知に何かが引っかかったので玄関に確認へ向かいました。
すると見たことのある白髪の男がお辞儀をしていたのです。
「明けましておめでとうございますエルカ殿...」
「氷聖...、ジスカ...」
私は嫌な感じを彼から感じました。
彼を一眼見ただけで鳥肌が立ちます。
でも一応彼も女神クティル選ばれた聖人ではある為、家に上げない訳には行きません。
「どうぞ上がって頂戴」
「どうも」
ニヤニヤ笑う彼の姿を何処と無く不快に思う私。
リビングにあるソファーに彼を座らせ、お茶の用意をしました。
「どうぞ」
「ありがとう、遠慮なく頂きます」
何も不審がることなく出された紅茶を飲むあたり、彼の私に対する信頼はあるようです。
「美味しいですよ」
ニコッと爽やかな笑顔を浮かべてはいるのだが、何故だろうか?、私は彼のこの表情が苦手でした。
そう...、あの時からずっと...。
「ところでジスカ、私に何の用?、わざわざ挨拶しに来ただけってことではないのでしょう?」
「ふふっ...、まあね」
できれば一刻も早く出て行って欲しいのですけど、彼からは有力な情報を得られることも多い為邪険にはできません。
一体何処からそんな情報を仕入れて来れるのかさっぱり分かりませんけど、情報量だけで言えば右に出る者がいない程の情報通でもあるのです。
私はそんな彼を見てハァっとため息を吐きました。
彼の口からあの言葉が出るまでは。
「所で...、いつ娘さんに賢聖の儀を施すのですか?、できるだけ早めの方が貴女様に負担をかけないで済むと思うんですけどね~」
正直イラっときます。
私は娘に賢聖の血筋を継承するつもりなどさらさらないのですから...。
「いえ、まだいいかな~なんて...」
とりあえず、とぼけたふりをしてお茶を濁しますが、その問いは彼を楽しませるだけなのでした。
「...、早めに授けた方がいいですよ...、それに女神様の力は継承しない限り年を重ねれば重ねる程弱まる、いわば呪いの類ですからね」
ニヤニヤと笑う彼の表情が気に入らない。
「お気遣い結構です!、それに女神クティルの力を、呪いだなんていう人の言葉こそ信用できないわ!」
勿論突っぱねましたが、彼はそれでも笑みを浮かべているので気持ち悪い。
聖人になった全ての人が知っている真実をいわれ焦りが隠せなくなる。
分かってはいる...、だけど未だあの魔女を消し去る方法が見つからないのだ。
そんな状況で娘に重荷を背負わせるわけにはいかないと思う私。
「もう少しだけ時間を頂戴...、私が必ず...」
「その言葉を吐き続けて早7年...、未来設計はお早めに...」
ポンっと私の肩を叩いた彼は、屋敷を後にしていきました。
その楽しそうな背中を歯を噛み締めながら見ることしかできない自分に腹が立つ。
(女神様...、なぜ貴女は私にこんな選択を与えるのですか?)
神を呪っても仕方ないのは分かっています。
だけれど...、私は...。
じわぁっと涙が溢れるのを堪えるという行為は、私にとって辛くなってきているのでした。
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