なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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新年

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「新年明けましておめでとうございます」

(...!?)

 突如母さんがそんな事を言い出したのには理由がある。
 クティル王国祭が終わると同時に新年の夜明けが待っているらしいのだ。

(...日本にいた時とぜんっ全変わらない挨拶なのね...)

 おはよう、さようなら、こんにちは、そしてあけましておめでとう...。
 だいたいの挨拶が変わらない事に少々違和感を感じているが、正直に言うと楽なのでそこまで気にしないことにします。
 でも、さっきまで「酸っぱい!」と言いながら飛び起きたのに、もう元気一杯になっている姿を見ていると安心しました。

「母さん!、今日で今年が終わるんだよね?」

 一応確認の為に聞いてみます。

「そうよカリンちゃん!、来年の春からはカリンちゃんも2年生ね~」

 当たり前の様に答えが返ってきました。

(人生2度目の小学2年生か...、なんか変な感じがする...)

 むず痒いと言うかなんと言うか...、とにかくそんな感じ...。
 う~ん...、言葉で表すのは難しいですね!。
 内心どっちでもいいやと思ったあたりで母さんの発声練習をもう一度聞きます。

「皆さま、新年明けましておめでとうございます」

「いいと思うよ、しっかり声出てるし」

「ありがとうカリンちゃん!、お母さんも頑張らないとね!」

 私の声を聞いて嬉しそうに反応してくれるのは嬉しいと思います。

(誰に言うのか知らないけど、きっとまた大きいところで言わないといけないんだろうな...、賢聖って大変だぁ~)

 そう思うと少し哀れにすら思えますね...。
 女神クティルでしたっけ?、そんな訳のわからない女神様に選ばれただけで人生が大きく変わるのは本当に勘弁してほしい。
 もしもその役が私だったらと思うとゾッとします。
 なんとなくプラム先生の言っていた事が分かってきたので、母さんの後を継ぐとか魔法を覚えたいとか軽く発言するのは控えようと思いました。
 私が本気で賢聖の娘を名乗るに相応しい人物となった時にまだ賢聖を継ぎたいと思えていれば賢聖を継ぐかも知れませんが、現在の私にはその力はありません。

(もしも私が強くなって本気で賢聖を継ぎたいって言ったら母さんは喜んでくれるかな?、それとも...)

 どっちなのだろう?。
 私に力がついてからその事を言えば母さんも喜んでくれるのだろうか?。
 それとも実力関係なしに私が賢聖になる事を良しとはしないのだろうか?。
 どっちだろう...。
 そんな事を考えていると、来年になる時間がどんどん迫ってきていました...。
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