216 / 361
後悔
しおりを挟む
~クティル城客室~
式典が終わり、母さんはお城の中で家族の皆と話をしていました。
私は母さんを見つけると労いの声をかけます。
「母さんお疲れ様!」
封印祭後に私は母さんの元へと駆け寄ります。
「カリンんちゃん...」
私の名前を呼ぶ声はどことなく弱々しく疲れているような感じを受ける。
母さんの術式があまりにも複雑かつ精錬だったのを思い返し疲れるのは当然だと思いました。
でも、それでも私は湧き上がるこの感情を止めることができなかったのです。
あんな術式を私も組んで見たいという知的好奇心が私の心を突き動かし次の行動に移させたのでした。
「母さん、私も母さんみたいな封印魔法を扱えるようになりたい!」
何気ない一言。
でも私はこの言葉を母の前で並べてしまった事を後で後悔する事になろうとは、言葉を発した時には思いもしないのでした。
「カリン...ちゃん...」
「母...さん?」
なぜでしょう。
母さんの表情がかなり物悲しく見えます。
私は何か変な事を聞いたでしょうか?。
ただ私は母さんと同じくらい高位の魔術に憧れているだけであり、この言葉にそれ以上の意味はありません。
でもそれはあくまでも私の中だけでの事だったのです。
母さんがこの言葉の意味をどう思っているかなんて考えもしていませんでした。
突然私の頭に雨が降ったのかと思い天を仰ぐと、そこには両目から大粒の涙を零す母の姿がありました。
「母さん!?どうしたの!?」
思わず声を上げる私。
突然泣き出した母をただ呆然と見つめる続けていると、母は私を抱き寄せこう呟く。
「ごめんなさい...、私が不甲斐ないばかりにあなたにそんな感情を湧き立たせるなんて...、私は母親失格ね...」
ここが式典場で無く良かったです。
賢聖エルカのすすり泣く声が客室に響き渡り、家族全員をなんとも言えない気分にさせてしまいました。
部屋の外から聞こえてくる笑い声の方が大きいにも関わらず、私にとっては母さんの小さな泣き声の方が大きく感じたのでした...。
式典が終わり、母さんはお城の中で家族の皆と話をしていました。
私は母さんを見つけると労いの声をかけます。
「母さんお疲れ様!」
封印祭後に私は母さんの元へと駆け寄ります。
「カリンんちゃん...」
私の名前を呼ぶ声はどことなく弱々しく疲れているような感じを受ける。
母さんの術式があまりにも複雑かつ精錬だったのを思い返し疲れるのは当然だと思いました。
でも、それでも私は湧き上がるこの感情を止めることができなかったのです。
あんな術式を私も組んで見たいという知的好奇心が私の心を突き動かし次の行動に移させたのでした。
「母さん、私も母さんみたいな封印魔法を扱えるようになりたい!」
何気ない一言。
でも私はこの言葉を母の前で並べてしまった事を後で後悔する事になろうとは、言葉を発した時には思いもしないのでした。
「カリン...ちゃん...」
「母...さん?」
なぜでしょう。
母さんの表情がかなり物悲しく見えます。
私は何か変な事を聞いたでしょうか?。
ただ私は母さんと同じくらい高位の魔術に憧れているだけであり、この言葉にそれ以上の意味はありません。
でもそれはあくまでも私の中だけでの事だったのです。
母さんがこの言葉の意味をどう思っているかなんて考えもしていませんでした。
突然私の頭に雨が降ったのかと思い天を仰ぐと、そこには両目から大粒の涙を零す母の姿がありました。
「母さん!?どうしたの!?」
思わず声を上げる私。
突然泣き出した母をただ呆然と見つめる続けていると、母は私を抱き寄せこう呟く。
「ごめんなさい...、私が不甲斐ないばかりにあなたにそんな感情を湧き立たせるなんて...、私は母親失格ね...」
ここが式典場で無く良かったです。
賢聖エルカのすすり泣く声が客室に響き渡り、家族全員をなんとも言えない気分にさせてしまいました。
部屋の外から聞こえてくる笑い声の方が大きいにも関わらず、私にとっては母さんの小さな泣き声の方が大きく感じたのでした...。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説


ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)
水神瑠架
ファンタジー
――悪役令嬢だったようですが私は今、自由に楽しく生きています! ――
乙女ゲームに酷似した世界に転生? けど私、このゲームの本筋よりも寄り道のミニゲームにはまっていたんですけど? 基本的に攻略者達の顔もうろ覚えなんですけど?! けど転生してしまったら仕方無いですよね。攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。という事で私、顔もうろ覚えのキャラの救済よりも好きな事をして生きて行きます! ……極めろ【錬金術師】! 目指せ【錬金術マスター】!
★★
乙女ゲームの本筋の恋愛じゃない所にはまっていた女性の前世が蘇った公爵令嬢が自分がゲームの中での悪役令嬢だという事も知らず大好きな【錬金術】を極めるため邁進します。流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。そんな主人公が生きる世界をとくと御覧あれ!
★★
この話の中での【錬金術】は学問というよりも何かを「創作」する事の出来る手段の意味合いが大きいです。ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。この世界での独自の力が【錬金術】となります。
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる