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現実の母...
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「なんでこんな問題もできないの!?」
「...ごめんなさい」
私は涙を流しながら勉強に打ち込んでいましたが、どうしても全く成績が伸びず親に迷惑をかけていました。
厳しい母を見かねた妹が母にこう提案しました。
「母さん、いい学校には私が絶対に行って見せるから、姉さんにそこまで言うのはやめてあげて」
「正華は黙っていなさい!、さあ林華!もう一度!」
...、母は厳しい人でした。
よく出来る妹がいると分かるとそのヘイトは私に向かって来たのです。
妹と違い平均点すれすれの私にイライラを毎日持っていたのでと思いますが、それは人間が違うので仕方ない事だと思う私なのでした。
どんなに頑張ったって私が妹に勝てるはずがないのだと、心の中で諦めてしまっていました。
でも、そんなわたしにも趣味はありました。
歌はもともと好きなのですが、お菓子作りにもまあまあ興味があったのです。
そして事件は起きました。
~私の家~
「母さん!パウンドケーキ作ったんだ!食べて見てよ!」
「あら、林華が作ったの?、美味しそうね!」
美味しそうに私の作ったケーキを食べる母さんでしたが、急に喉を抑えてもがき、突然倒れてしまった為、焦った私は妹を呼びました。
駆けつけた妹がケーキの中に入ったカシューナッツの粉が塗してある事にいち早く気がつき救急車を呼んだ事で母さんは一命を取り止めました。
後で母さんがカシューナッツに対してアレルギーを持っていた事が分かり、どんな表情で病室に入ればいいか迷ったので、とりあえず元気な声を上げながら入室することにしました。
「母さん!良くなったんだね!」
私が勢い良く扉を開けて入室すると、母さんはギロリと私を睨みつけこう呟いたのです。
「あんたの作った物なんて食べるんじゃなかった...」
実の親からの冷たい言葉は、幼い私の心に何度も響き続けるのでした。
...。
これ以降、私は自分でお菓子を作るのはやめてしまいました。
またこのような事があったら今度こそ間違いなく立ち直れなくなると思った私は、自らこの趣味を封印したのです。
それから時は流れ、私はカリンとして生を受け、この世に転生したのですが、やはりなかなかお菓子作りはできないでいました。
けれど、この体はカリンという優秀な子供の肉体なのでもうこう言うヘマはしないだろうと思い作ったアイスでまたしても失敗を重ねてしまったのです。
今度こそ立ち直れそうにないと思いつめていた私に対し、こっちの母さんは優しく大丈夫だと言ってくれたことが何よりも嬉しかったのでした。
(私の本当の母さんもカリンの母さんくらいの器量があれば良かったのに...)
そう思っても仕方ありませんが、これはあっちの世界で学力が足りなかった自分が悪いのも原因の一つだと言う事は認めなくてはいけません。
それを認めつつも今だけは...、カリンの母さんの優しさに私は甘えているのでした。
「...ごめんなさい」
私は涙を流しながら勉強に打ち込んでいましたが、どうしても全く成績が伸びず親に迷惑をかけていました。
厳しい母を見かねた妹が母にこう提案しました。
「母さん、いい学校には私が絶対に行って見せるから、姉さんにそこまで言うのはやめてあげて」
「正華は黙っていなさい!、さあ林華!もう一度!」
...、母は厳しい人でした。
よく出来る妹がいると分かるとそのヘイトは私に向かって来たのです。
妹と違い平均点すれすれの私にイライラを毎日持っていたのでと思いますが、それは人間が違うので仕方ない事だと思う私なのでした。
どんなに頑張ったって私が妹に勝てるはずがないのだと、心の中で諦めてしまっていました。
でも、そんなわたしにも趣味はありました。
歌はもともと好きなのですが、お菓子作りにもまあまあ興味があったのです。
そして事件は起きました。
~私の家~
「母さん!パウンドケーキ作ったんだ!食べて見てよ!」
「あら、林華が作ったの?、美味しそうね!」
美味しそうに私の作ったケーキを食べる母さんでしたが、急に喉を抑えてもがき、突然倒れてしまった為、焦った私は妹を呼びました。
駆けつけた妹がケーキの中に入ったカシューナッツの粉が塗してある事にいち早く気がつき救急車を呼んだ事で母さんは一命を取り止めました。
後で母さんがカシューナッツに対してアレルギーを持っていた事が分かり、どんな表情で病室に入ればいいか迷ったので、とりあえず元気な声を上げながら入室することにしました。
「母さん!良くなったんだね!」
私が勢い良く扉を開けて入室すると、母さんはギロリと私を睨みつけこう呟いたのです。
「あんたの作った物なんて食べるんじゃなかった...」
実の親からの冷たい言葉は、幼い私の心に何度も響き続けるのでした。
...。
これ以降、私は自分でお菓子を作るのはやめてしまいました。
またこのような事があったら今度こそ間違いなく立ち直れなくなると思った私は、自らこの趣味を封印したのです。
それから時は流れ、私はカリンとして生を受け、この世に転生したのですが、やはりなかなかお菓子作りはできないでいました。
けれど、この体はカリンという優秀な子供の肉体なのでもうこう言うヘマはしないだろうと思い作ったアイスでまたしても失敗を重ねてしまったのです。
今度こそ立ち直れそうにないと思いつめていた私に対し、こっちの母さんは優しく大丈夫だと言ってくれたことが何よりも嬉しかったのでした。
(私の本当の母さんもカリンの母さんくらいの器量があれば良かったのに...)
そう思っても仕方ありませんが、これはあっちの世界で学力が足りなかった自分が悪いのも原因の一つだと言う事は認めなくてはいけません。
それを認めつつも今だけは...、カリンの母さんの優しさに私は甘えているのでした。
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