なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
203 / 361

決勝

しおりを挟む
 準決勝は結果的に私が勝ちました。
 先生を打ち負かした父さんが私に勝ちを譲ってくれる形にはなりましたが、これでいよいよ決勝です。
 向こうで悔しそうな表情をしながら、父さんに文句を言う先生の姿がありましたが気にしない事にしましょう。

(プラム先生...、ハエたたきに叩かれた時の声面白かったな...ぷっw)

「ひゃん!!」

 という声が出た時には、正直笑いを堪えるのに必死でした。
 どうやら氷の魔法で私達の親指を手とくっつけていたようですが、不正が見つかった為、最初の得点が取り消しになった時の表情は正直面白かった..w。
 色々ありましたが、何はともあれこれで決勝です。

「さあ!カリンちゃん!、お母さんと楽しくゲームをしましょう!」

「あっ!うん!」

 ニコニコしながら両手を構える母さんを見た私もすぐさま準備します。
 母さんのゲームの実力は未知数ですが、リアルで何度も激闘を繰り広げて来た私にもこれならば勝ち目があるでしょう。
 ただ、懸念すべきは魔法によるイカサマですが、母さんはそういうことをやる人ではないと思います。
 皆が見守る中、ついに私と母さんの試合が始まるのでした。

(まずは軽く様子見かな...)

「いっせの~で...0!」

 0と答えたので私は勿論指を動かしません。

「あら~...、上げそびれちゃった~」

 母さんも指をあげることなく私の得点になりました。
 なんだかわざとらしいその態度は少し鼻につきますが、これで一点です。
 後一回勝てば優勝なので、勝利が見えてきました。

「じゃあ次はお母さんの番ね!、いっせの~で...2!」

 母さんが両指ともあげて得点になりました。
 これで一対一です。
 少し緊張してきたので“あれ”の出番だと思いゲームを一旦中断する事にしました。

「ちょっと待って...」

 私はそう呟き、片方の人差し指を2回くるくるっと回しました。
 これは私の中での「おまじない」で、これをやるとなんだかいつもより勝率が上がっているような気がするのです。

「もう大丈夫」

 私がそう呟いてゲームに戻ろうとすると、一瞬だけ母さんの表情が強張ったような気がしました。

「母さん?」

「.......、えっ!?」

 突然私に声をかけられたような反応をしていたので心配します。

「母さん大丈夫?」

「えっと...ああうん!大丈夫よ!」

 ちょっと怪しいですが今はゲームに集中しましょう。

「じゃあ行くよ!いっせの~で...1!」

 私だけ指をあげていた為、勝利しました。

(やった!母さんに勝てた!)

 私は母さんに勝利した事を心の中で喜びます。
 たかがゲームとはいえ、賢聖に勝てたのは素直に嬉しいと言えるでしょう。

「優勝はカリンちゃん!」

 パニラが自分の被っている王冠を私に被せながらそう言いました。

「ありがとう」

 皆から声援を貰う中、なぜか母さんだけはその場を後にしていました。
 なんだかゲーム中も元気がなかったのは調子が悪かったからでしょうか?。
 何はともあれ、今は優勝の余韻に浸りたい私なのでした。
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...