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妹の選択
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「ヤヨイ!今日は一緒に店を見て回らないか?」
「お姉ちゃんと?、うん!いいよ!」
私は妹のヤヨイと打ち解ける事が出来た。
最初こそ不安だったが、意外と仲は良好でこれといった心配もなさそうである。
これならばもっと早くに正体を明かすべきだったと後悔しているほどだ。
「仲がいいですね!」
私が声のした方向に顔を向けて見ると金髪のシスターが立っていた。
「あっ!アルエッタ!」
「その様子でしたら上手いこと正体を明かせたのですね!エルシー」
私はとぼけている彼女の近くの歩み寄りコソコソ話で言ってやった。
「あんたね!、貴方的には私の事を思って妹に私が姉だと伝えてくれたのかもしれないけど、せっかくの感動が台無しだったじゃない!」
「ふふっ、私的には失敗して欲しくなかったからですよ、身寄りがあるのであれば早くこの協会から出て行った方があの子も幸せですからね」
「あんた...」
彼女は少し寂しそうな表情でヤヨイを呼び出す。
「ヤヨイちゃん!ちょっと来てください!」
「?、なんですか?シスターアルエッタ」
さっきまでとぼけたような表情をしていた彼女の顔が急に真剣になり、ヤヨイの肩を持ち瞳を見据える。
「このエルシーが貴方の実の姉である事は以前言いましたよね?」
「うん...」
「身寄りができた以上貴方には選ぶ権利があります、一つは成人するまで教会で住む権利、そしてもう一つは...」
彼女が私の顔を見ながら呟きました。
「貴方の姉と共に生きていく権利です!」
私の耳にその言葉が聞こえて来た時心の底から打ち震えた。
遂に私に贖罪のチャンスがやって来たのだと思えたからである。
幼き日からずっと心の片隅に残っていた記憶が見せる真実。
それはずっと私を苦しめ続け、死ぬまで解けない物だと思い込んでいた。
それがようやく晴れる時が来たのだ。
「さあ...選びなさい...、どちらを選ぼうとも貴方の自由意志、私はそれを尊重しましょう...、エルシーもそれで良いですね?」
「ああ...、それでいいよ...、ヤヨイが自分で選ぶんだ」
「えっと...私は...」
妹がどちらを選ぼうとも後悔はない。
こればかりは彼女の人生なのだから彼女が選ぶべきだと思う。
仮に私が選ばれた場合、私の一生をかけて彼女を愛そう...。
さあ彼女の決断の時がやって来た...。
ゴクリと息を飲みながら彼女の答えを待つ私とアルエッタ。
暫く考えた後にこう呟く妹。
「お姉ちゃんかシスターアルエッタか...うん...私、決めた...」
「お姉ちゃんと?、うん!いいよ!」
私は妹のヤヨイと打ち解ける事が出来た。
最初こそ不安だったが、意外と仲は良好でこれといった心配もなさそうである。
これならばもっと早くに正体を明かすべきだったと後悔しているほどだ。
「仲がいいですね!」
私が声のした方向に顔を向けて見ると金髪のシスターが立っていた。
「あっ!アルエッタ!」
「その様子でしたら上手いこと正体を明かせたのですね!エルシー」
私はとぼけている彼女の近くの歩み寄りコソコソ話で言ってやった。
「あんたね!、貴方的には私の事を思って妹に私が姉だと伝えてくれたのかもしれないけど、せっかくの感動が台無しだったじゃない!」
「ふふっ、私的には失敗して欲しくなかったからですよ、身寄りがあるのであれば早くこの協会から出て行った方があの子も幸せですからね」
「あんた...」
彼女は少し寂しそうな表情でヤヨイを呼び出す。
「ヤヨイちゃん!ちょっと来てください!」
「?、なんですか?シスターアルエッタ」
さっきまでとぼけたような表情をしていた彼女の顔が急に真剣になり、ヤヨイの肩を持ち瞳を見据える。
「このエルシーが貴方の実の姉である事は以前言いましたよね?」
「うん...」
「身寄りができた以上貴方には選ぶ権利があります、一つは成人するまで教会で住む権利、そしてもう一つは...」
彼女が私の顔を見ながら呟きました。
「貴方の姉と共に生きていく権利です!」
私の耳にその言葉が聞こえて来た時心の底から打ち震えた。
遂に私に贖罪のチャンスがやって来たのだと思えたからである。
幼き日からずっと心の片隅に残っていた記憶が見せる真実。
それはずっと私を苦しめ続け、死ぬまで解けない物だと思い込んでいた。
それがようやく晴れる時が来たのだ。
「さあ...選びなさい...、どちらを選ぼうとも貴方の自由意志、私はそれを尊重しましょう...、エルシーもそれで良いですね?」
「ああ...、それでいいよ...、ヤヨイが自分で選ぶんだ」
「えっと...私は...」
妹がどちらを選ぼうとも後悔はない。
こればかりは彼女の人生なのだから彼女が選ぶべきだと思う。
仮に私が選ばれた場合、私の一生をかけて彼女を愛そう...。
さあ彼女の決断の時がやって来た...。
ゴクリと息を飲みながら彼女の答えを待つ私とアルエッタ。
暫く考えた後にこう呟く妹。
「お姉ちゃんかシスターアルエッタか...うん...私、決めた...」
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