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餅月林華という存在
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友達と楽しく話していた私ですが、ふとショーの始まりに感じた違和感を思い出してしまい口が止まってしまうのでした。
私の不安そうな表情を見たヤヨイちゃんが心配そうな声をかけてくれました。
「カリンちゃん?、疲れたの?ちょっと表情悪いよ...」
「ああ...、ううん!、私なら大丈夫だよ!」
ニカッと笑う私でしたが、どうしても気になってしまい辺りを見回します。
ですが、既にあのような殺気は消えていた為、私の勘違いだったと思うことにしました。
私達がショーの事を話して盛り上がっていると...。
「ヤヨイちょっといいか?」
「エルシーさん?」
「ちょっとだけで良いんだ、話があるからついてきてくれないか?」
「いいけど...、ここじゃダメ?」
「これはヤヨイにとっても大事な話なんだ...」
「う~ん...、わかった!、皆!ちょっとエルシーさんと話してくるね!」
私達に笑顔でそう告げるヤヨイ。
「助かる...、じゃあ行こうか...」
そう言ってヤヨイを連れ出すエルシーさんは、何やら覚悟を決めたような表情を浮かべているように見えました。
その背中が妙に気合が入っている様に見えたのは気のせいでしょうか?。
目を擦りながら彼女の姿をもう一度見ようとしたのですが、その時にはもう外に出てしまったのかギルド内から姿を消していました。
(なんだったんだろう...、今日のエルシーさんは妙に気合が入っているように見えたけど、それって私の母さんに良いとこ見せようとしていただけとは思えないんだよね...)
そう、私の瞳には一世一代の大勝負をする戦士のように彼女が写っていたのでした。
だからこそ、私は彼女が格好いいと思うし、目指すべき大人の姿だと思えるのです。
「私も...、いつかあんな風になれるかな...」
私がポツンとそのように呟くと、隣にいたリタにこう返された。
「私にとってカリンちゃんはエルシーさん以上に格好良く見えるよ...」
「えっ!?」
私は急にそんな事を言われたのでびっくりし、思わず大きな反応を見せてしまいます。
私の反応を見た彼女は少し寂しそうな表情でうつむき何やら言葉をこぼしました。
「やっぱり...、まだ思い出してないんだね...」
「えっと...、ごめんなんの話?」
私は聞き返したのですが、彼女はパッと明るく振る舞い「なんでもないよ」と返してきたので余計に気になってしまいました。
「なに?気になるじゃん!」
「これはカリンちゃんにもナイショだよ...」
「そう言われると余計に気になるな...」
彼女の言ったことに興味を惹かれたのは、きっとカリンの事と関係あると思ったからです。
少しでも転生前カリンの情報を集めておいた方が良いと今でも考える私でしたが、よくよく考えれば既に私は、この世界へ溶け込んでいるとも思えました。
でも、それでも今のこの体はカリンという少女の物であり私ではないのだという自覚は持っておいた方が良いと考えます。
カリンの人格がこの体に戻ってくるか分からないし、仮に戻ってきたとしてもその時に餅月林華という存在がどうなるのかわかりませんけど、私はこの体を最終的には彼女に返さなくてはいけないと思っていました。
ある意味、ここでの生活はカリンという存在によってもたらされたひと時の幸福なのかもしれません。
本来私にとってこちらでの生活は夢で見ることしかできなかった空虚な妄想だったのですから...。
それが現実に叶えられただけでも私の人生には“意味”があったと言えるでしょう...。
(ありがとうカリン...、私にこっちで生活を楽しませてくれて...、本当に感謝している...)
私は胸に手を置いて彼女の心臓の鼓動を静かに聞いていました。
私の不安そうな表情を見たヤヨイちゃんが心配そうな声をかけてくれました。
「カリンちゃん?、疲れたの?ちょっと表情悪いよ...」
「ああ...、ううん!、私なら大丈夫だよ!」
ニカッと笑う私でしたが、どうしても気になってしまい辺りを見回します。
ですが、既にあのような殺気は消えていた為、私の勘違いだったと思うことにしました。
私達がショーの事を話して盛り上がっていると...。
「ヤヨイちょっといいか?」
「エルシーさん?」
「ちょっとだけで良いんだ、話があるからついてきてくれないか?」
「いいけど...、ここじゃダメ?」
「これはヤヨイにとっても大事な話なんだ...」
「う~ん...、わかった!、皆!ちょっとエルシーさんと話してくるね!」
私達に笑顔でそう告げるヤヨイ。
「助かる...、じゃあ行こうか...」
そう言ってヤヨイを連れ出すエルシーさんは、何やら覚悟を決めたような表情を浮かべているように見えました。
その背中が妙に気合が入っている様に見えたのは気のせいでしょうか?。
目を擦りながら彼女の姿をもう一度見ようとしたのですが、その時にはもう外に出てしまったのかギルド内から姿を消していました。
(なんだったんだろう...、今日のエルシーさんは妙に気合が入っているように見えたけど、それって私の母さんに良いとこ見せようとしていただけとは思えないんだよね...)
そう、私の瞳には一世一代の大勝負をする戦士のように彼女が写っていたのでした。
だからこそ、私は彼女が格好いいと思うし、目指すべき大人の姿だと思えるのです。
「私も...、いつかあんな風になれるかな...」
私がポツンとそのように呟くと、隣にいたリタにこう返された。
「私にとってカリンちゃんはエルシーさん以上に格好良く見えるよ...」
「えっ!?」
私は急にそんな事を言われたのでびっくりし、思わず大きな反応を見せてしまいます。
私の反応を見た彼女は少し寂しそうな表情でうつむき何やら言葉をこぼしました。
「やっぱり...、まだ思い出してないんだね...」
「えっと...、ごめんなんの話?」
私は聞き返したのですが、彼女はパッと明るく振る舞い「なんでもないよ」と返してきたので余計に気になってしまいました。
「なに?気になるじゃん!」
「これはカリンちゃんにもナイショだよ...」
「そう言われると余計に気になるな...」
彼女の言ったことに興味を惹かれたのは、きっとカリンの事と関係あると思ったからです。
少しでも転生前カリンの情報を集めておいた方が良いと今でも考える私でしたが、よくよく考えれば既に私は、この世界へ溶け込んでいるとも思えました。
でも、それでも今のこの体はカリンという少女の物であり私ではないのだという自覚は持っておいた方が良いと考えます。
カリンの人格がこの体に戻ってくるか分からないし、仮に戻ってきたとしてもその時に餅月林華という存在がどうなるのかわかりませんけど、私はこの体を最終的には彼女に返さなくてはいけないと思っていました。
ある意味、ここでの生活はカリンという存在によってもたらされたひと時の幸福なのかもしれません。
本来私にとってこちらでの生活は夢で見ることしかできなかった空虚な妄想だったのですから...。
それが現実に叶えられただけでも私の人生には“意味”があったと言えるでしょう...。
(ありがとうカリン...、私にこっちで生活を楽しませてくれて...、本当に感謝している...)
私は胸に手を置いて彼女の心臓の鼓動を静かに聞いていました。
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