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ローシュの真実
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フゥとため息を吐いた俺は親父に聞く。
「どうして俺の居場所が分かったんだ?、あの時ミライの結界内に閉じ込められていたから外からは見えなかったと思うんだが...」
その問いに対して彼はこう答えた。
「ああそれなら普通に見えてたぞ、というか広間の中心に球体の様な物が浮かんでいたら普通調べるだろ?」
...。
(ミライって意外とアホなのか?、普通結界を展開した場合、その場所を隠すもんなんだが...、まあそのお陰で助かったけど...)
俺はハハッと間抜けな対戦相手を笑った。
...、いや...待てよ...、もしかしたら全て掌の上じゃなかったのか?。
俺は深く考え込む。
もしかして俺を餌に父さんか母さんかを釣って実力を見ておくとかが目的だったのかもしれない。
そう考えれば俺を相手にしてあれだけ戦闘を長引かせたのにも合点が行く。
ただ、聖人相手に一対一ではどうあがいても太刀打ち出来る物ではないとここに住む全人類が知っているはずなんだが...。
やっぱりただのアホなんじゃ...と考えずにはいられない。
無策では無かったとは言え、一対一で善戦できる者など同じ聖人でもなければ不可能だ。
もしくは...。
「親父」
「なんだ?」
「昔戦ったって言ってた魔神てどの位強かったんだ?」
「何を今更」
「俺はあの時別の所で戦ってたからな、魔神の恐ろしさを直に見ていた人に聞くのが1番早いと思ってな」
「なるほど、そう言う事なら教えてやろう」
親父はその場で腕を組み片手を頰に置いて話始めた。
「まあ、だいぶ昔の事で私もまだ若かったとは言え、私とエルカとレイン、つまり3聖人の力を集結してようやく倒せた難敵だったな」
「...、わかってちゃいたけどやっぱり魔神ってつぇぇんだな...」
「ふっ、今なら一対一でも負けはしないだろうが、できることなら3体1の状況を作り出して戦った方がいい難敵だとは言い切れるな」
親父にそこまで言わせる魔神には少し興味がある。
実際に力比べをして見たい所だが、ミライ相手にあのザマでは恐らく1分と持たないだろう。
俺がいくら強くなったとは言え、まだまだ親父の足元にも及ばないのだから...。
少し悔しくなって行く感情が止められなくなり床をバンっと蹴る。
「親父...」
「なんだローシュ」
「もう一度俺に稽古を付けてくれ」
「残念ながらそれは不可能だ」
それを聞くと無性に腹が立った。
「なんでだよ!、あの時からそうだ!、あの時からあんたは俺に一切剣を教えてくれなくなった!」
嫌な空気が辺りに立ち込めてくる。
「なんでなんだよ...、俺はもっと強くなりたいのに...」
「お前は充分に強くなったさ...、後は私たち“聖人”のやるべき事であり、お前は関わらなくていい」
その言葉を聞くと余計に怒りがこみ上げてきて、つい言葉に出してしまう。
「そうか...、つまりあんたは俺にこう言いたいんだな...」
眉を少し動かす親父。
「なんだ?」
「...、別に自分の子供じゃない奴に教える事はもうないって言いたいんだろ...」
「ローシュ...」
妙な雰囲気にしてしまった。
そう、俺は剣聖フォロスと賢聖エルカの本当の子供ではない。
見た目が妙に剣聖に似ていた事から、影武者の様に育て鍛えられたのが俺だ。
だが、この事に関しては別に怒っていない。
孤児だった俺に生きる意味と場所を提供してくれた事に関しては感謝している。
途中で剣の教えをしてくれなくなった事を除けばだが...。
悠久の魔女との戦いが終わると俺は影武者の任を解かれ自由にしても良いと言われたのだが、その時に言った事がある。
~俺を...、フォロスさんの息子にしてください...~
今思うと少しむず痒いが、当時の俺にとってそれは大願であり叶えたい願いに他ならなかった。
俺は居ても立ってもいられなくなり駆け出した。
「ローシュ!」
父さんが俺の名前を呼ぶ声がしたのだが止まる気は無い。
逃げる様に走り去る俺。
(かっこ悪いな俺...)
ただそれを心の中で呟くだけで心が錆びついて行くのを感じた。
「どうして俺の居場所が分かったんだ?、あの時ミライの結界内に閉じ込められていたから外からは見えなかったと思うんだが...」
その問いに対して彼はこう答えた。
「ああそれなら普通に見えてたぞ、というか広間の中心に球体の様な物が浮かんでいたら普通調べるだろ?」
...。
(ミライって意外とアホなのか?、普通結界を展開した場合、その場所を隠すもんなんだが...、まあそのお陰で助かったけど...)
俺はハハッと間抜けな対戦相手を笑った。
...、いや...待てよ...、もしかしたら全て掌の上じゃなかったのか?。
俺は深く考え込む。
もしかして俺を餌に父さんか母さんかを釣って実力を見ておくとかが目的だったのかもしれない。
そう考えれば俺を相手にしてあれだけ戦闘を長引かせたのにも合点が行く。
ただ、聖人相手に一対一ではどうあがいても太刀打ち出来る物ではないとここに住む全人類が知っているはずなんだが...。
やっぱりただのアホなんじゃ...と考えずにはいられない。
無策では無かったとは言え、一対一で善戦できる者など同じ聖人でもなければ不可能だ。
もしくは...。
「親父」
「なんだ?」
「昔戦ったって言ってた魔神てどの位強かったんだ?」
「何を今更」
「俺はあの時別の所で戦ってたからな、魔神の恐ろしさを直に見ていた人に聞くのが1番早いと思ってな」
「なるほど、そう言う事なら教えてやろう」
親父はその場で腕を組み片手を頰に置いて話始めた。
「まあ、だいぶ昔の事で私もまだ若かったとは言え、私とエルカとレイン、つまり3聖人の力を集結してようやく倒せた難敵だったな」
「...、わかってちゃいたけどやっぱり魔神ってつぇぇんだな...」
「ふっ、今なら一対一でも負けはしないだろうが、できることなら3体1の状況を作り出して戦った方がいい難敵だとは言い切れるな」
親父にそこまで言わせる魔神には少し興味がある。
実際に力比べをして見たい所だが、ミライ相手にあのザマでは恐らく1分と持たないだろう。
俺がいくら強くなったとは言え、まだまだ親父の足元にも及ばないのだから...。
少し悔しくなって行く感情が止められなくなり床をバンっと蹴る。
「親父...」
「なんだローシュ」
「もう一度俺に稽古を付けてくれ」
「残念ながらそれは不可能だ」
それを聞くと無性に腹が立った。
「なんでだよ!、あの時からそうだ!、あの時からあんたは俺に一切剣を教えてくれなくなった!」
嫌な空気が辺りに立ち込めてくる。
「なんでなんだよ...、俺はもっと強くなりたいのに...」
「お前は充分に強くなったさ...、後は私たち“聖人”のやるべき事であり、お前は関わらなくていい」
その言葉を聞くと余計に怒りがこみ上げてきて、つい言葉に出してしまう。
「そうか...、つまりあんたは俺にこう言いたいんだな...」
眉を少し動かす親父。
「なんだ?」
「...、別に自分の子供じゃない奴に教える事はもうないって言いたいんだろ...」
「ローシュ...」
妙な雰囲気にしてしまった。
そう、俺は剣聖フォロスと賢聖エルカの本当の子供ではない。
見た目が妙に剣聖に似ていた事から、影武者の様に育て鍛えられたのが俺だ。
だが、この事に関しては別に怒っていない。
孤児だった俺に生きる意味と場所を提供してくれた事に関しては感謝している。
途中で剣の教えをしてくれなくなった事を除けばだが...。
悠久の魔女との戦いが終わると俺は影武者の任を解かれ自由にしても良いと言われたのだが、その時に言った事がある。
~俺を...、フォロスさんの息子にしてください...~
今思うと少しむず痒いが、当時の俺にとってそれは大願であり叶えたい願いに他ならなかった。
俺は居ても立ってもいられなくなり駆け出した。
「ローシュ!」
父さんが俺の名前を呼ぶ声がしたのだが止まる気は無い。
逃げる様に走り去る俺。
(かっこ悪いな俺...)
ただそれを心の中で呟くだけで心が錆びついて行くのを感じた。
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