なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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妹に会いに教会へ...

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 私は息を落ち着かせて教会に向かう。
 大丈夫、エルカ様にもご声援を頂いたし、何よりここからは私の過去との戦いなのだ。
 教会の前に立つと、見覚えのある金髪シスターが目に移った。

(アルエッタか...、以前来た時には私だって気がついていなかったみたいだけど、今の私なら自分から正体を明かせるはず...)

 深呼吸をして彼女に近づく。

「アルエッタ...」

「どちら様ですか?」

 どうやら私の正体には気がついていない様だ。
 私はフッと静かに笑うと、彼女の名前をもう一度呼ぶ。

「アルエッタ、私の事を覚えていないか?、ほら...」

 そう言いながら私はポニテをくくっているリボンを指差した。
 最初こそ疑いの眼差しを向けて来た彼女だったが、数秒たつと目を見開き私の手を握ってきた。

「もしかして...エルシー!!?」

「心配かけたな...、まさかお前が教会のシスターをやっているとは思っても見なくてな...、いや本当に立派になった」

 私は彼女を見てそう呟くと、彼女は嬉しそうにこう返してくれる。

「そうでもないよ、私がやっていけているのはエルカ様の援助金のお陰だし、私一人じゃここまでこの教会を守れなかったよ...」

 ふふふと笑う彼女に対し、私の内心は穏やかではなかった。

「ところで...、ヤヨイって奴はいるか?」

「ヤヨイちゃん?、ヤヨイちゃんなら小さい子達の遊び相手になって貰っていますが呼んで来ましょうか?」

「ああ、頼むよ...」

 彼女がヤヨイを呼びに行く時、一度私の方に振り返ってこう言ってきたので驚いた。

「近いうちにちゃんと言うんですよ...、ヤヨイちゃんは貴女の事を見ても姉さんだとは思わないでしょうから...」

「お前...!、気がついていたの?」

 彼女は笑いながら優しく答えてくれました。

「ふふ...、あんなにそっくりなんですから、彼女が小さい時からなんとなく察していたのですけど、今日貴女がヤヨイちゃんに話があると聞いて確信できました」

「...、昔も今もアルエッタには敵わないな...」

「...、むしろ私が貴女に優ってた事ってありましたっけ?」

 口の前に人差し指を当てて過去の記憶を探り出す彼女。
 確かにどんな事をしても大体私の方が優っていた事は事実なのだが....。

(それはあんたが気がついていないだけさ...、私はあんたの優しさを近くで見てきた人物の一人だからわかってしまうんだよ...、あんな状況の中で一人でも多くの人を助けようとした貴女の強さに私は敵わない)

 私は国を捨ててまで逃げだしたが、彼女はこの国に残り精一杯戦った。
 それだけで私と彼女との間に開いた差の大きさが分かるだろう。
 私はそんな彼女の精神的な強さを高く評価しているつもりである。

「まあ、よくわからないけどいいです、とにかくまた今度ゆっくりとお話ししましょうね、...ヤヨイちゃん呼んできますね!」

 彼女はそれだけ言うと教会の奥へと姿を消した。
 それを見た私は密かに笑う。

(あんたは変わんないね...アルエッタ...)
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