なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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何しよっか?

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「カリンは何して遊びたい?」

 不意にそんなことを言われても、お金もないのであまり思いつかないのでした。
 しかも綿飴も一口貰っているので、エリサに頼る訳にもいきません。

「そうだね...、う~ん...」

 お金を使わず遊ぶ方法をよ~く考えます。
 私はお店を見ていますが、そりゃあ無料で遊ばせてくれる屋台なんてないよね。

「あの屋台面白そう!!」

 彼女が指差した屋台は、この前一等賞を落としたばかりの射的屋でした。

「いや...、あの店はやめておこう...」

「なんで?面白そうじゃん!」

 有無を言わさず彼女はそこに向かっていきました。

 ~射的屋~

「いらっ...」

 店主のおじさんが私の顔を見て固まりました。

「どうも...」

 俯く私と対象的な彼女を見てなんとなく察したのでしょう。
 明らかに初対面風を装う彼の姿がそこにはありました。

「嬢ちゃんたち...、射的やって行くのかい?」

「私がやる~」

 そう言って彼女は500ゴールド支払い、玩具の銃と銃弾を6発受け取りました。

(この店って完全にインチキしてるんだよね...、まあエリサには悪いけど、私は手助けしないよ)

 彼女には悪いのだが、流石に初対面の人の為に力を貸すほど私もお人好しではない。
 某ラノベで有名な黒い双剣士でもあるまいし、私が彼女に手を貸す理由などないのだ。

「じゃあ狙うよ~...」

 彼女は張り切って狙いを定めているが、正直言って全く意味はない。
 結局のところ店側が土の魔法で地盤を固めている為、景品が取れるはずないのだ。
 私は結果が分かっていると面白くないと思い、あくび混じりに見守る。
 パンっという乾いた音と共に銃弾が発射された。
 ?。

(何あれ...)

 雷のような線が目の前を走り抜け、景品を弾き飛ばした。
 それも一個だけではない。
 無数の景品が一斉に吹き飛んだのだ。
 何が起きたのかあまりよくわかっていないが、電気系統の魔力を感じ取った為、おそらく彼女の魔法だろう。
 にしてもこれはやりすぎだ、さっきから店の店主が私を睨んでいるのがよ~くわかる。

(いや、...、これは私悪くないから!、エリサが加減知らないせいだから!)

 そう、私を睨んでもしょうがないのは事実。
 結果的に景品がたったの一発で結構な数が落ちている。
 それだけの量獲得した彼女は笑みを浮かべてこう言った。

「店主さ~ん!、だいたいとっちゃったんで追加お願いしま~す!!後5発残ってるんで~」

 もうやめとけと言いたいが、店主は半ギレの表情で商品を置いて行く。

「どうぞ!!」

 ここまで凄く気合の入った「どうぞ」という言葉を聞いたことがない。
 喧嘩腰に彼女を見つめる彼と、舌なめずりをする彼女の真剣勝負が今始まる!。
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