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4日目の打ち合わせ
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エルシーさんとの打ち合わせを終えた私に果物の飴を奢ってくれました。
それを受け取ると、彼女は私の頭に優しく触れて来ました。
「カリン、4日目は頼むぞ」
彼女に頭を撫でられると、なぜかすごく嬉しくなった私は早口でこう言いました。
「わかってます!、私も全力の歌で会場を盛り上げます!!」
エルシーさんのようなすごい人に頼られていると思うとすごくやる気が出ます。
喉の調子を4日目までには最高潮に持って行くため、明日はしっかりと休養しなくては行けません。
むふ~と鼻息を出した私を見て彼女は少し笑いました。
「おいおいカリン、あんまり今からやる気を出して、本番の時に風邪引きましたとか言わないでくれよ」
「絶対に風邪になんかなりません!」
「本当か~?」
ちょっと意地悪そうな瞳で私を見てくる彼女でしたが、私は風邪なんか今まで引いたことないので問題ありません。
そう思っていたのですが、よく考えると転生した日に風邪をひいていたのを思い出しました。
でも、それはあくまでこっちのカリンが引いてただけであり、餅月林華としては一度もかかったことはないので大丈夫なはずです。
彼女から貰った飴を舐めながら4日目への意欲を上げていると、メルラが店から出てきました。
「あっ、さっきの...」
エルシーさんがメルラに気がついたので、私が手を振って声をかけました。
「メルラさん!、お兄ちゃんはどうしたんですか?」
私が声をかけたのですが、彼女は気まずそうにそそくさと逃げてしまいました。
「どうしたんだろ?」
不審に思い追いかけようとしたのですが、エルシーさんに止められてしまいます。
「ちょっと!カリン、こういう時はそっとしておいてあげないと...」
「えっ?なんでですか?」
「まあ、子供だからわからないか?」
私を見て何とも言えない表情をする彼女でしたが、私にはよ~くわかっていました。
(嘘でーす!!本当はわかってますよー!!、こちらとらラノベをいくつ読破してきたと思ってるんですか!)
初めて会った時からメルラがお兄ちゃんに気がある事くらい察していましたし、現役女子中学生の感を舐めないで欲しい
あくまで今は小学一年生として振る舞わなければ行けないので、敢えて鈍感なふりをしているだけなのです。
あの様子だと振られたのでしょうけど、それも恋の経験値となっていずれ役立つ時が来るはず。
自分の恋には疎いのですが、他人の恋には興味深々になってしまうのは昔から変わりません。
(異世界ファンタジーで、若い2人の恋愛良い!!)
他人事なので物凄く楽しい。
ですが茶化してはいません。
行く末を見守っているだけです。
見ているだけで楽しいので、何も手を出す必要はないと思う私。
そうして身悶えしていると、兄さんがひょっこり店から顔を出してきました。
「カリンすまない、明日は一緒に回れなくなった...」
「えっ!?」
なんと、あの兄さんが私と祭りを回るのを投げ捨てようと言うのでびっくりしてしまいました。
相当悩んでいるような表情の彼を見ていると、やはり恋の悩みだと勘ぐってしまいます。
「うん...わかった...」
私もここは兄に譲りました。
「ありがとう...カリン...」
彼の背中がいつもより悲しげに見えたのは、恐らく見間違いではないのでしょう。
去りゆく彼の背中を見ながら(頑張れ)と心の中で応援するのでした。
それを受け取ると、彼女は私の頭に優しく触れて来ました。
「カリン、4日目は頼むぞ」
彼女に頭を撫でられると、なぜかすごく嬉しくなった私は早口でこう言いました。
「わかってます!、私も全力の歌で会場を盛り上げます!!」
エルシーさんのようなすごい人に頼られていると思うとすごくやる気が出ます。
喉の調子を4日目までには最高潮に持って行くため、明日はしっかりと休養しなくては行けません。
むふ~と鼻息を出した私を見て彼女は少し笑いました。
「おいおいカリン、あんまり今からやる気を出して、本番の時に風邪引きましたとか言わないでくれよ」
「絶対に風邪になんかなりません!」
「本当か~?」
ちょっと意地悪そうな瞳で私を見てくる彼女でしたが、私は風邪なんか今まで引いたことないので問題ありません。
そう思っていたのですが、よく考えると転生した日に風邪をひいていたのを思い出しました。
でも、それはあくまでこっちのカリンが引いてただけであり、餅月林華としては一度もかかったことはないので大丈夫なはずです。
彼女から貰った飴を舐めながら4日目への意欲を上げていると、メルラが店から出てきました。
「あっ、さっきの...」
エルシーさんがメルラに気がついたので、私が手を振って声をかけました。
「メルラさん!、お兄ちゃんはどうしたんですか?」
私が声をかけたのですが、彼女は気まずそうにそそくさと逃げてしまいました。
「どうしたんだろ?」
不審に思い追いかけようとしたのですが、エルシーさんに止められてしまいます。
「ちょっと!カリン、こういう時はそっとしておいてあげないと...」
「えっ?なんでですか?」
「まあ、子供だからわからないか?」
私を見て何とも言えない表情をする彼女でしたが、私にはよ~くわかっていました。
(嘘でーす!!本当はわかってますよー!!、こちらとらラノベをいくつ読破してきたと思ってるんですか!)
初めて会った時からメルラがお兄ちゃんに気がある事くらい察していましたし、現役女子中学生の感を舐めないで欲しい
あくまで今は小学一年生として振る舞わなければ行けないので、敢えて鈍感なふりをしているだけなのです。
あの様子だと振られたのでしょうけど、それも恋の経験値となっていずれ役立つ時が来るはず。
自分の恋には疎いのですが、他人の恋には興味深々になってしまうのは昔から変わりません。
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ですが茶化してはいません。
行く末を見守っているだけです。
見ているだけで楽しいので、何も手を出す必要はないと思う私。
そうして身悶えしていると、兄さんがひょっこり店から顔を出してきました。
「カリンすまない、明日は一緒に回れなくなった...」
「えっ!?」
なんと、あの兄さんが私と祭りを回るのを投げ捨てようと言うのでびっくりしてしまいました。
相当悩んでいるような表情の彼を見ていると、やはり恋の悩みだと勘ぐってしまいます。
「うん...わかった...」
私もここは兄に譲りました。
「ありがとう...カリン...」
彼の背中がいつもより悲しげに見えたのは、恐らく見間違いではないのでしょう。
去りゆく彼の背中を見ながら(頑張れ)と心の中で応援するのでした。
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