なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
148 / 361

アアル...

しおりを挟む
「アアル!!」

 私の代わりに切り刻まれた彼を拾い上げて回復魔法をかける。

「大地全ての癒しを司る精霊達よ、かの者の傷を癒せ!!」

 私は彼の傷に手を当ててなんども魔法を扱うが傷が治る気配はない。
 その時、私の脳裏に浮かぶはプラム先生の言葉だった。

(カリン、回復の魔法は便利だけど過信は禁物、特に死んだ者に対して魔法を使っても意味は無いどころか無駄に魔力を消費するから絶対にやめるように)

 その言葉通り、彼の傷は治っているにも関わらず目を覚まさない。
 さらに、回復魔法を唱え続けているので、無駄に魔力を浪費していく感じが全身を襲う。

「アアル!目を覚まして!」

 私の必死の叫びが虚しくこだまするなか、奴は一人になった私に特攻してきた。

「くっ!、よくもアアルを!!」

 私は怒りを露わにしながら奴に立ち向かいます。
 片手から火の魔法を、片手から風の魔法を合体させてとてつもない乱気流を生み出して攻撃しますが、それすらも剣の一振りでかき消されてしまいました。

(あの剣、チートすぎるでしょ...、合体魔法をたった一振りでかき消すなんてチートにも程がある!)

 それでも諦める訳にはいきません。
 私は何度も自身の出せる最高火力を叩きつけますが、それでも奴に届きそうにはありませんでした。

「なんで...届かないの...!」

 悔しくて涙が溢れてきましたが、今はそれさえも振り払って対策を考えます。
 私が諦めれば彼はきっと私と同じ道をたどることになると思うと、諦めるわけにはいかないのでした。

「届けぇ!!!」

 悲鳴にも似た叫び声を上げながら私は魔力が切れるまで攻撃を続けたのですが、結局1発たりとも届きはしませんでした。
 魔力切れによる身体疲労により、その場に倒れこんでしまいます。
 コツコツという足音がゆっくりと私の方に近づいてきました。

(ダメだ...、やられる...!)

 私は目を瞑り、最期の時を待つ事しか出来ませんでした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...