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人払いの結界
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「ハァハァ...」
息を切らしながら広場から逃げ続けます。
逃げている最中にもあの嫌な視線はずっと続いてました。
「カリンちゃん...、どこまで行くの?」
心配そうな表情を浮かべた彼女の顔見てこう答える私。
「大丈夫、パニラ、絶対に私の側から離れないで」
少し不安がらせるかもしれないけど、こういう雰囲気の時は何か嫌な事が起きる前兆であると私は心得ている。
不安そうな彼女を見た私は立ち止まる。
息を吸って、吐いて、心を落ち着かせてから笑顔を向けた。
「大丈夫だよ、だから私の事を信じて」
「カリンちゃん...、うん、わかった...、信じる」
「ありがとう!、じゃあちょっとだけ私を信じて前に進んで」
「こう?」
「そうそう、じゃあパニラ、貴方だけでも元の場所に戻って...」
「それってどういう意味?」
私は静かに笑いながら詠唱を開始しました。
「大丈夫すぐにわかるから、あっちに戻ったら私のお兄ちゃんにパニラが目を覚ました場所に来るように言ってね...」
ここが結界の内側だという事はなんとなく察していたので、私は彼女の周りに高濃度の魔力を注ぎ込み結界内に穴を開けたのです。
その結果、彼女のみが元の次元に戻り、私は取り残されました。
私の魔力では同時に2人を逃す事は出来なかったのです。
なので、せめて彼女だけでもこの謎空間から逃がす事にしたのでした。
私は深呼吸をして後ろを振り向くと、そこには見慣れない白装束を着込んだ人が立っていました。
「誰?」
私の問いに対し、そいつはただ剣を引き抜いていました。
恐らくそれで語れという事でしょうが、残念ながら私に剣の覚えはありません。
「悪いけど、私にそっちの腕はないわよ!」
そう叫びながら、そいつに向けて風属性の下級魔法を放ちました。
もちろんこれは陽動で、本命はこっちです。
片手で風属性の魔法を唱えながら、もう片手で炎の魔法を唱えます。
そして、アアルに光属性の魔法の詠唱を命じました。
風と火と光の複合魔法が奴を襲い凄まじい爆発が巻き起こる。
「よし!成功!!」
私はガッツポーズを決めます。
三属性同時に扱うのはとても難しく、タイミングを計り違うと暴発する諸刃の剣なのですが、今回は上手く成功しました。
現段階で出来る自分の最高火力をぶち当てたので勝利の余韻に浸ろうとしていると、奴は素振りで魔法を相殺しています。
(うっそ...素振り一回で魔法を叩き割った!?)
私が一旦距離を開けようとすると、一瞬で距離を詰められ刃が宙を舞うのが見えました。
(あっ...死んだかも...)
何故だろう、戦闘の経験は皆無に等しい私でしたが、それでも死を感じとる事は出来ました。
生物として死というものには敏感なようです。
走馬灯の様な物が脳内を走り抜け、それが終わると現実に意識が戻る。
「カリン!!」
どうやら彼が私の名前を呼ぶ声で意識が戻った様です。
「アアル!?」
意識が戻った直後に私の瞳に映ったのは、彼が私の代わりに切り刻まれる瞬間だった...。
息を切らしながら広場から逃げ続けます。
逃げている最中にもあの嫌な視線はずっと続いてました。
「カリンちゃん...、どこまで行くの?」
心配そうな表情を浮かべた彼女の顔見てこう答える私。
「大丈夫、パニラ、絶対に私の側から離れないで」
少し不安がらせるかもしれないけど、こういう雰囲気の時は何か嫌な事が起きる前兆であると私は心得ている。
不安そうな彼女を見た私は立ち止まる。
息を吸って、吐いて、心を落ち着かせてから笑顔を向けた。
「大丈夫だよ、だから私の事を信じて」
「カリンちゃん...、うん、わかった...、信じる」
「ありがとう!、じゃあちょっとだけ私を信じて前に進んで」
「こう?」
「そうそう、じゃあパニラ、貴方だけでも元の場所に戻って...」
「それってどういう意味?」
私は静かに笑いながら詠唱を開始しました。
「大丈夫すぐにわかるから、あっちに戻ったら私のお兄ちゃんにパニラが目を覚ました場所に来るように言ってね...」
ここが結界の内側だという事はなんとなく察していたので、私は彼女の周りに高濃度の魔力を注ぎ込み結界内に穴を開けたのです。
その結果、彼女のみが元の次元に戻り、私は取り残されました。
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なので、せめて彼女だけでもこの謎空間から逃がす事にしたのでした。
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「誰?」
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そう叫びながら、そいつに向けて風属性の下級魔法を放ちました。
もちろんこれは陽動で、本命はこっちです。
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そして、アアルに光属性の魔法の詠唱を命じました。
風と火と光の複合魔法が奴を襲い凄まじい爆発が巻き起こる。
「よし!成功!!」
私はガッツポーズを決めます。
三属性同時に扱うのはとても難しく、タイミングを計り違うと暴発する諸刃の剣なのですが、今回は上手く成功しました。
現段階で出来る自分の最高火力をぶち当てたので勝利の余韻に浸ろうとしていると、奴は素振りで魔法を相殺しています。
(うっそ...素振り一回で魔法を叩き割った!?)
私が一旦距離を開けようとすると、一瞬で距離を詰められ刃が宙を舞うのが見えました。
(あっ...死んだかも...)
何故だろう、戦闘の経験は皆無に等しい私でしたが、それでも死を感じとる事は出来ました。
生物として死というものには敏感なようです。
走馬灯の様な物が脳内を走り抜け、それが終わると現実に意識が戻る。
「カリン!!」
どうやら彼が私の名前を呼ぶ声で意識が戻った様です。
「アアル!?」
意識が戻った直後に私の瞳に映ったのは、彼が私の代わりに切り刻まれる瞬間だった...。
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