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次はあそこに行こっ!
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「次はあそこに行こっ!」
「パニラ...、ちょっと休まない?」
色んな屋台を見ては次々に遊んでいく彼女の姿は、まるで始めて祭りに来た子供のようです。
私からすれば祭り自体が身近なものだったので、そこまで珍しくないのでした。
ただ、ここが異世界であるがゆえに、魔法による演出にはさっきから驚かされぱなっしですが、それ以外は日本に住んでいた時とあまり変わらないことも大体わかってきたので、ちょっと休憩したくなったのです。
「ええ~...、カリンちゃんは私と遊びたくないの?」
そう言いながらフードの奥から声を出してきました。
答えに困った私は、とりあえず彼女の機嫌をとるようにこう返します。
「いや、パニラちゃんと遊ぶのは楽しいよ、けどこう次々に屋台を回っていたらお金も勿体無いし考えて使わないと」
「お金を考えて使う?」
なぜそこで彼女が困惑するのか、今の発言でなんとなく察しました。
彼女は姫様で何不自由ない暮らしをしてきて、きっとお小遣いも沢山貰っているのでしょう。
いくら私の家計が聖人の家計と言っても、私はまだ小学一年生なので、月に1000ゴールドほどしか貰えません。
一応今回はクティル王国祭ということで5000ゴールドを母さんから貰っているのですが、できればちょっと高い魔道書や、こちらの世界の書物を買いたいのでした。
正直言うと祭りの出店は全部高いので、イカ焼きやたこ焼きも美味しそうですが我慢しているのです。
射的なんて6発撃つだけで500ゴールドも取られるんですよ、それならば、後で良い書物を買って自分の糧にした方が100倍有意義だと考える私でした。
そんな私を見た彼女は、詰まらなそうな表情でこっちを見てきます。
「良いよね、カリンちゃんはいつでも外で皆と遊べて...」
ボソッと言ったつもりなのでしょうが、私にははっきりと聞こえていました。
「えっ...パニラちゃん?」
私の驚いた声を聞いて、ハッとしたように自分の発言を気にした表情をする彼女。
「ごめん...」
そう呟いた彼女は一目散に駆け出したのでした。
「パニラちゃん!待って!」
私は走っていく彼女を追いかけていきました。
「パニラ...、ちょっと休まない?」
色んな屋台を見ては次々に遊んでいく彼女の姿は、まるで始めて祭りに来た子供のようです。
私からすれば祭り自体が身近なものだったので、そこまで珍しくないのでした。
ただ、ここが異世界であるがゆえに、魔法による演出にはさっきから驚かされぱなっしですが、それ以外は日本に住んでいた時とあまり変わらないことも大体わかってきたので、ちょっと休憩したくなったのです。
「ええ~...、カリンちゃんは私と遊びたくないの?」
そう言いながらフードの奥から声を出してきました。
答えに困った私は、とりあえず彼女の機嫌をとるようにこう返します。
「いや、パニラちゃんと遊ぶのは楽しいよ、けどこう次々に屋台を回っていたらお金も勿体無いし考えて使わないと」
「お金を考えて使う?」
なぜそこで彼女が困惑するのか、今の発言でなんとなく察しました。
彼女は姫様で何不自由ない暮らしをしてきて、きっとお小遣いも沢山貰っているのでしょう。
いくら私の家計が聖人の家計と言っても、私はまだ小学一年生なので、月に1000ゴールドほどしか貰えません。
一応今回はクティル王国祭ということで5000ゴールドを母さんから貰っているのですが、できればちょっと高い魔道書や、こちらの世界の書物を買いたいのでした。
正直言うと祭りの出店は全部高いので、イカ焼きやたこ焼きも美味しそうですが我慢しているのです。
射的なんて6発撃つだけで500ゴールドも取られるんですよ、それならば、後で良い書物を買って自分の糧にした方が100倍有意義だと考える私でした。
そんな私を見た彼女は、詰まらなそうな表情でこっちを見てきます。
「良いよね、カリンちゃんはいつでも外で皆と遊べて...」
ボソッと言ったつもりなのでしょうが、私にははっきりと聞こえていました。
「えっ...パニラちゃん?」
私の驚いた声を聞いて、ハッとしたように自分の発言を気にした表情をする彼女。
「ごめん...」
そう呟いた彼女は一目散に駆け出したのでした。
「パニラちゃん!待って!」
私は走っていく彼女を追いかけていきました。
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