なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
129 / 361

さっきの歌って...

しおりを挟む
「ところでカリン?だっけ?、さっきの歌はお前が歌っていたのか?」

 そう、あの歌声が気になった私は彼女に問い詰めて見る。
 少し恥ずかしそうにしていたが、時期に答えてくれた。

「そうだよ、私が歌っていたの...、私は歌を歌うのが好きなんだけど、その姿を人に見られるのは正直苦手なんだ...」

 そう言って暗い顔をしながら笑う彼女。
 もったいない、あれだけ綺麗な声で歌えるのであればボロ儲けできるのに...、と私が考えていると、私の中にある商売魂に火がついていくのを感じた。

「なあカリン」

「何?」

「私と一緒に仕事しないか?、分け前は儲けの半分でどうだ?」

「でも仕事って何をするの?」

 彼女が不思議そうな表情で私を見てきたので、それに答える。

「カリンはただ歌っていればいい、私の指定した歌を歌ってくれればそれでOKさ、そにれ合わせて私が踊る、それだけでかなり集客が見込めるはずさ」

「お姉さんって踊り子なの!?」

 彼女の目が急に光輝いて見えた。
 さっきまで暗い顔をして俯いていたのに、私が踊り子だと知るや否や取り乱したような態度で立ち上がった。

「ああまあな、ちなみに今は商人と冒険者も営んでいるぜ」

「お姉さんってすごいんだね!、でも、私の歌なんて聞いてくれるかな?」

 不安そうな表情の彼女を見ていると妹を思い出す。

「大丈夫さ、カリンならきっと一人前の歌姫になれるって!」

 敢えて大げさな言葉を使うが、私は本気で彼女が歌姫になれる素質があると踏んでいる。
 彼女の歌声からは安らぎと安心感を得られたのは間違いのない事実であり、曲調を変えれば情熱的にも感情的にも聞く人の心を魅了できる力が彼女の歌には存在すると思えてならない。
 そのため励ましの言葉をかけて彼女を持ち上げてみる。

「う~ん...ちょっと恥ずかしいけど、一回だけなら良いかな...」

 まだ少し恥ずかしそうな態度をとってはいるが大丈夫、新人の時は皆だいたいこんな感じだからだ。
 私も最初はあんな際どい服着て民衆の前で踊るなんてこっぱずかしいと思っていたのだが、生きる為だと思えばそんな考えは少しずつ消えて行ったのを覚えている。
 彼女も最初はぎこちないかもしれないが、だんだんと慣れてくれば一人前の歌姫になれる才能を、少なくとも私は感じていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

処理中です...