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一緒に食事
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夕暮れが近づいてきてようやく帰れると思った矢先、お母さんが今日は教会の子達と一緒に食事をすると言って子供達が大はしゃぎしていました。
子供達が言うには「エルカ様の料理はとっても美味しい!」と評判だった。
実際何度も母さんの手料理を食べてきた私もそう思うので、このはしゃぎようにも納得がいく。
「カリンちゃんの母さんの料理ってとっても美味しいんだよね!」
ヤヨイも私の横で笑顔を見せている。
「そうだね、私も母さんの料理はとっても美味しいと思う」
異論はない、美味しい物を美味しいと言って何が悪い。
「皆~、ご飯ができましたよ~」
母さん声が聞こえてくると歓声が上がる。
テーブルに並べられた夕食を見た子供達は。
「美味しそ~」
「早く食べた~い!」
「もうお腹ぺこぺこ~」
「エルカ様の料理ならなんでも食べれる!」
こんな感じの言葉が並ぶ中、先ほどのシスターが登場すると急に雰囲気が変わる。
子供達のはしゃぎっぷりが嘘のように消え、不気味なほどの静寂が辺りをつつみ込んだ。
彼らは礼儀正しく鎮座しており、先程までの無邪気な子供っぷりが一変しているので驚きだ。
異様な光景に思わず息を飲むと、シスターが手を合わせて目を瞑る。
皆もそれに合わせて同じ所作をしたので、私も見よう見まねで行う。
「天に召します我らが神よ...、今日という日を無事に終えれた事を感謝致します...」
シスターが静かにそう言って3秒ほど経過すると、不意に声質が明るくなる。
「では皆さん、冷めないうちに頂きましょう!」
彼女の眩い笑顔に私の心は撃たれる。
(シスター...めちゃんこ可愛いやんけ!)
私が勝手に身悶えしていると、隣の席にいるヤヨイが「どうしたのカリンちゃん、もう食べていいんだよ?」と言うがそうではない。
「違うの...別の感情でお腹いっぱいです...」
「..?」
彼女は不思議そうな顔をしている...、そりゃそうか、こんなヤベー感情を小1に理解できるわけないしね。
自分に変な性癖がある事を知れたのはある意味収穫かもしれないが、普通に考えてアウトなのであまり表に出さないようにしなくてはならない。
それに私が成人する頃にはシスター何才だよ!って事なので多分大丈夫だ。
私が食事をしながらシスターの方を向くと、優しく微笑んでいるのが分かった。
こちらを見て笑顔を絶やさないその存在に崇拝のような気持ちが湧き上がる。
(まずいまずい!!、落ち着け...、よし、大丈夫だ問題ない!)
勝手に一人で精神闘争を行なっているので食事に意識が向かない。
コップに手を伸ばした時、中途半端に掴んでしまったので、中身をこぼしてしまった。
「あっ!」
声を発した時にはもう遅い。
コップの中身が私の服にぶち巻かれびしょ濡れになった。
「カリンちゃん!何やってるの!」
母さんが私に近づいてきてタオルで濡れた部分を拭いてくれる。
「私も手伝います!」
シスターも一緒になって拭いてくれるので申し訳ない気分になる。
「ごめんなさい...、ちょっと考え事してて...」
私が素直に謝ると二人共許してくれた。
「もう...、カリンちゃんたら慌てん坊さんなんだから...」
母さんはもうこの話を終わらそうとしているが、シスターはそうではないようだ。
少し困ったような表情で私の濡れた服を観察している。
「しかし困りましたね...、このままでは風邪を引いてしまいます....、今夜は我が教会のお風呂に浸かって行かれるといいでしょう」
「いいんですか?アルエッタさん」
「ええ、他ならぬエルカ様の娘さんですし問題ないですね」
シスターがそう言ってくれるので好意に甘えようと思う。
「ありがとうございます、シスター」
私は深く頭を下げて感謝の意を示した。
子供達が言うには「エルカ様の料理はとっても美味しい!」と評判だった。
実際何度も母さんの手料理を食べてきた私もそう思うので、このはしゃぎようにも納得がいく。
「カリンちゃんの母さんの料理ってとっても美味しいんだよね!」
ヤヨイも私の横で笑顔を見せている。
「そうだね、私も母さんの料理はとっても美味しいと思う」
異論はない、美味しい物を美味しいと言って何が悪い。
「皆~、ご飯ができましたよ~」
母さん声が聞こえてくると歓声が上がる。
テーブルに並べられた夕食を見た子供達は。
「美味しそ~」
「早く食べた~い!」
「もうお腹ぺこぺこ~」
「エルカ様の料理ならなんでも食べれる!」
こんな感じの言葉が並ぶ中、先ほどのシスターが登場すると急に雰囲気が変わる。
子供達のはしゃぎっぷりが嘘のように消え、不気味なほどの静寂が辺りをつつみ込んだ。
彼らは礼儀正しく鎮座しており、先程までの無邪気な子供っぷりが一変しているので驚きだ。
異様な光景に思わず息を飲むと、シスターが手を合わせて目を瞑る。
皆もそれに合わせて同じ所作をしたので、私も見よう見まねで行う。
「天に召します我らが神よ...、今日という日を無事に終えれた事を感謝致します...」
シスターが静かにそう言って3秒ほど経過すると、不意に声質が明るくなる。
「では皆さん、冷めないうちに頂きましょう!」
彼女の眩い笑顔に私の心は撃たれる。
(シスター...めちゃんこ可愛いやんけ!)
私が勝手に身悶えしていると、隣の席にいるヤヨイが「どうしたのカリンちゃん、もう食べていいんだよ?」と言うがそうではない。
「違うの...別の感情でお腹いっぱいです...」
「..?」
彼女は不思議そうな顔をしている...、そりゃそうか、こんなヤベー感情を小1に理解できるわけないしね。
自分に変な性癖がある事を知れたのはある意味収穫かもしれないが、普通に考えてアウトなのであまり表に出さないようにしなくてはならない。
それに私が成人する頃にはシスター何才だよ!って事なので多分大丈夫だ。
私が食事をしながらシスターの方を向くと、優しく微笑んでいるのが分かった。
こちらを見て笑顔を絶やさないその存在に崇拝のような気持ちが湧き上がる。
(まずいまずい!!、落ち着け...、よし、大丈夫だ問題ない!)
勝手に一人で精神闘争を行なっているので食事に意識が向かない。
コップに手を伸ばした時、中途半端に掴んでしまったので、中身をこぼしてしまった。
「あっ!」
声を発した時にはもう遅い。
コップの中身が私の服にぶち巻かれびしょ濡れになった。
「カリンちゃん!何やってるの!」
母さんが私に近づいてきてタオルで濡れた部分を拭いてくれる。
「私も手伝います!」
シスターも一緒になって拭いてくれるので申し訳ない気分になる。
「ごめんなさい...、ちょっと考え事してて...」
私が素直に謝ると二人共許してくれた。
「もう...、カリンちゃんたら慌てん坊さんなんだから...」
母さんはもうこの話を終わらそうとしているが、シスターはそうではないようだ。
少し困ったような表情で私の濡れた服を観察している。
「しかし困りましたね...、このままでは風邪を引いてしまいます....、今夜は我が教会のお風呂に浸かって行かれるといいでしょう」
「いいんですか?アルエッタさん」
「ええ、他ならぬエルカ様の娘さんですし問題ないですね」
シスターがそう言ってくれるので好意に甘えようと思う。
「ありがとうございます、シスター」
私は深く頭を下げて感謝の意を示した。
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