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短絡的思考
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「すまん、やっぱこれくらいしか思いつかん!」
俺は立ち上がって駆け出した。
「馬鹿っ!蜂の巣にされるかもしれないぞ!」
フレイに止められたが、俺にはこれしかできない。
(こい!矢を射った瞬間に場所を暴いてやる!)
俺が的になった瞬間!その時はきた。
一瞬影が光ったと思ったら矢が飛んんできた。
「待ってたぜ!この時を!」
俺は錬成を始める。
「無茶だ!剣ではその速度の矢を受け止められないぞ!」
彼にはそう言われたが、俺が今錬成しているのは剣ではない。
錬成したそれで矢を受け止める。
「あれは...木製の盾か!」
そう、俺が錬成したのは木製の軽い盾である。
いつもの金属の剣の錬成よりも早く作れるのが利点であるが、盾という装備があまり好きではないので使用頻度は限りなく低い。
だが、これなら見てから防げる。
「悪いが!俺は動体視力はいい方なんだよ!大体敵の位置はわかった、突っ込むぞ!」
「チコ!トウマの援護を頼む!」
「わかっています!」
フレイの命令で、俺の後を追うようにチコがついてくる。
「盾を燃やさないでくれよ」
「私はそこまで間抜けではありません」
俺とチコが突撃すると、敵の正体がわかった。
蚊だ、とてつもなくでかい蚊が羽音混じりに飛翔した。
「なんだありゃあ!デケェ!」
「あんな魔物如きが結界を?...」
何やら不満そうな表情を浮かべるチコを尻目に俺は剣を錬成する。
「チコ!力を貸してくれ、俺じゃ空の敵を撃ち落せない」
「わかりました、私の炎でなんとかしてみます」
「守りは任せろ!俺が死ぬ気で守ってやるからよ!」
俺は宣言通り彼女の前に立ち発射されてくる針を防ぐ。
蚊の放つ針が、さっきフレイの腕に刺さっていた物と一致しているのでこいつが犯人で間違いない。
「やっぱりこいつが犯人か!」
「次来ます!」
「任せろ!」
とにかく俺は防ぐことに集中する。
チコが攻撃の魔法を空に向けて放っているがなかなか当たらない。
確かに奴は素早い。
持久戦になるとフレイの出血が心配になった俺はチコにこう呟く。
「チコ、俺が一瞬だけあいつの注意を割く、その瞬間を狙え!」
俺は弓矢を錬成して構える。
当然盾は構えられないので1発だけ針を腹部に貰った。
針の痛みが脳に伝わり、よろけそうになるが堪える。
「歯ぁ食いしばれ!虫ヤロー!」
俺の矢が空を切り奴の動きを牽制した。
チコの炎と合わせたことで逃げ場が一箇所しかない。
「今だ!」
「わかっています!」
チコの特大の火球が蚊に命中すると、奴は燃え尽きていく。
俺は剣を錬成し、とどめとばかりに黒焦げになった奴を突き刺すと、ボロボロと体が崩れ去った。
「やりぃ!」
俺は飛び跳ねながら喜んだが、腹部の痛みが少し酷くなったのでうずくまった。
「痛てて...、腹が痛ぇな...」
「無理するからですよ」
俺は笑いながらチコの方を向いた。
「でもこれで結界が剥がれたんじゃないか?あいつは倒したみたいだし」
俺がそう言った瞬間。
無数の羽ばたき音とともに大量の奴が現れる。
「なっ!?あり得ないだろ...あの量がここにいたってぇのか!?」
その数約20、途方も無い数に俺の足は震えていた。
しかも、その後ろに大王のような奴が黒い玉座に腰をかけてこちらを見下ろしている。
チコの方を向くと、彼女の体も震えているのがわかった。
くそ、俺も奴らにびびっている...、体が動かねぇ...。
20匹の一斉射撃を受けた俺たちは崩れ去る。
全身がいてぇ...。
目が霞む、針の当たった場所から血が流れ激痛を感じる。
何発かは防いだが全部は無理だ、針が無数に刺さり、針山のようになったチコを抱き寄せて盾を構える。
次に一斉射撃を受けたら無事では済まないだろう。
俺が覚悟を決めて目を閉じた時、最近聞いたことのある声が聞こえた気がした。
俺は立ち上がって駆け出した。
「馬鹿っ!蜂の巣にされるかもしれないぞ!」
フレイに止められたが、俺にはこれしかできない。
(こい!矢を射った瞬間に場所を暴いてやる!)
俺が的になった瞬間!その時はきた。
一瞬影が光ったと思ったら矢が飛んんできた。
「待ってたぜ!この時を!」
俺は錬成を始める。
「無茶だ!剣ではその速度の矢を受け止められないぞ!」
彼にはそう言われたが、俺が今錬成しているのは剣ではない。
錬成したそれで矢を受け止める。
「あれは...木製の盾か!」
そう、俺が錬成したのは木製の軽い盾である。
いつもの金属の剣の錬成よりも早く作れるのが利点であるが、盾という装備があまり好きではないので使用頻度は限りなく低い。
だが、これなら見てから防げる。
「悪いが!俺は動体視力はいい方なんだよ!大体敵の位置はわかった、突っ込むぞ!」
「チコ!トウマの援護を頼む!」
「わかっています!」
フレイの命令で、俺の後を追うようにチコがついてくる。
「盾を燃やさないでくれよ」
「私はそこまで間抜けではありません」
俺とチコが突撃すると、敵の正体がわかった。
蚊だ、とてつもなくでかい蚊が羽音混じりに飛翔した。
「なんだありゃあ!デケェ!」
「あんな魔物如きが結界を?...」
何やら不満そうな表情を浮かべるチコを尻目に俺は剣を錬成する。
「チコ!力を貸してくれ、俺じゃ空の敵を撃ち落せない」
「わかりました、私の炎でなんとかしてみます」
「守りは任せろ!俺が死ぬ気で守ってやるからよ!」
俺は宣言通り彼女の前に立ち発射されてくる針を防ぐ。
蚊の放つ針が、さっきフレイの腕に刺さっていた物と一致しているのでこいつが犯人で間違いない。
「やっぱりこいつが犯人か!」
「次来ます!」
「任せろ!」
とにかく俺は防ぐことに集中する。
チコが攻撃の魔法を空に向けて放っているがなかなか当たらない。
確かに奴は素早い。
持久戦になるとフレイの出血が心配になった俺はチコにこう呟く。
「チコ、俺が一瞬だけあいつの注意を割く、その瞬間を狙え!」
俺は弓矢を錬成して構える。
当然盾は構えられないので1発だけ針を腹部に貰った。
針の痛みが脳に伝わり、よろけそうになるが堪える。
「歯ぁ食いしばれ!虫ヤロー!」
俺の矢が空を切り奴の動きを牽制した。
チコの炎と合わせたことで逃げ場が一箇所しかない。
「今だ!」
「わかっています!」
チコの特大の火球が蚊に命中すると、奴は燃え尽きていく。
俺は剣を錬成し、とどめとばかりに黒焦げになった奴を突き刺すと、ボロボロと体が崩れ去った。
「やりぃ!」
俺は飛び跳ねながら喜んだが、腹部の痛みが少し酷くなったのでうずくまった。
「痛てて...、腹が痛ぇな...」
「無理するからですよ」
俺は笑いながらチコの方を向いた。
「でもこれで結界が剥がれたんじゃないか?あいつは倒したみたいだし」
俺がそう言った瞬間。
無数の羽ばたき音とともに大量の奴が現れる。
「なっ!?あり得ないだろ...あの量がここにいたってぇのか!?」
その数約20、途方も無い数に俺の足は震えていた。
しかも、その後ろに大王のような奴が黒い玉座に腰をかけてこちらを見下ろしている。
チコの方を向くと、彼女の体も震えているのがわかった。
くそ、俺も奴らにびびっている...、体が動かねぇ...。
20匹の一斉射撃を受けた俺たちは崩れ去る。
全身がいてぇ...。
目が霞む、針の当たった場所から血が流れ激痛を感じる。
何発かは防いだが全部は無理だ、針が無数に刺さり、針山のようになったチコを抱き寄せて盾を構える。
次に一斉射撃を受けたら無事では済まないだろう。
俺が覚悟を決めて目を閉じた時、最近聞いたことのある声が聞こえた気がした。
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