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花の誘惑
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見つめれば見つめるほど惹かれてしまう。
吸い込まれる様な赤い花に完全に意識を持っていかれていた。
「綺麗...」
私は赤い花にそっと手を伸ばす。
私が花の茎に手を伸ばした瞬間に世界が揺れた。
「何!?地震!?」
私はその場に這い蹲り、地震が収まるのを待っていたが治まる気配がない。
次の瞬間、地面が割れ大きい口が見え隠れしていた。
「ひっ...」
私は恐怖のあまり言葉を失った。
いくら町の外とはいえ、こんな奴がいるなんて思いもしなかったのだ。
恐ろしく鋭く尖った牙が見えた時に私の表情は凍りつく。
その時になって学校の授業を思い出した。
赤い花が一本だけ咲いている広い敷地には近づいてはいけない。
なぜならそれは、肉食植物の住処だからである。
この花も最初は白か青らしいのだが、食べてきた肉の血が染み付いていき、最終的に赤く染まるのだ。
ズルズルと落ちていく体を必死に残った地面を握って耐えているが、幼女の力では長い間は掴待っていられない。
だんだんと力が抜けていく中、早く私を食べたいのか触手の様な物を私の足に絡めて振り落とそうとしてくる。
(もうだめ...力が...)
私の握力に限界が来て手を離してしまう。
私は勢いよく落ちたので、このバケモノの養分になってしまうのかと思った次の瞬間。
「カリン!!」
お兄ちゃんと父さんが同時にやってきて触手を素手で破壊し、私を助けてくれました。
「あ...ありがとう...」
私がそう呟くとお兄ちゃんは笑っていましたが、父さんは私の方を一回見ただけで何も言いませんでした。
「さ~てと、ちゃっちゃっと片付けて魚釣り再開だ」
2人が歩いてバケモノのに近づいて行こうとしたので、私は2人の裾を掴んでいました。
「行かないで、あんなのに勝てるわけがないよ...早く逃げよう...」
「あのな、兄さん達はこの国を守る騎士団なんだ、騎士として人間に害なす存在がこんな町の近くにいるのであればそれを倒すのが俺たちの仕事なんだ、まっ心配すんなって、こんな奴ら何度も相手にしてきたから」
簡単そうに言っていますが、どう考えてもあのバケモノは大きくて太くて怖いのです。
私の震える手を優しく包み込んでくれた彼はもう一度静かに笑うと突撃していきました。
「お兄ちゃん!!」
私が必死の声を上げながら静止しようと手を伸ばしたのですが。
「大丈夫だカリン、ローシュは私が育てた、あんな怪物如き素手で充分だ」
父さんの威風堂々とした表情に私は息を飲んだ。
バケモノは触手で兄さんを捕まえようとしているが、彼の動きが素早すぎて追いきれていない様だった。
「はん!、遅ぇな!!」
彼は余裕の笑みを浮かべすぐさま射程圏内に入り素手での一撃を与える。
たったの一撃であの巨体を討伐してしまったのだから驚きだ。
私に手を振りながらこちらを見た兄さんの笑顔を見て私は悟った。
この人たちはこういう現場で血を見過ぎたのだと...。
その証拠に返り血を浴びても微動だにしない彼がそこにはいた。
そんな彼は頼りがいもあるが、何より怖さを感じた。
妹に優しい兄が生まれたのは、こういった戦場で命の尊さを学んだ結果ではないのか?。
そう思うと皮肉に聞こえるが、この考えは間違いではないと言えるだろう。
そうでもないと、ここまでシスコンな兄がいるわけがないのだから。
「とんだ邪魔が入ったがこの死体どうする?親父」
「ああ、私が直接転移魔法で城の実験室に送ろう、こういった魔物は城の研究員が様々な実験に使うらしいからな」
父さんが魔法を唱えると、さっきのバケモノは消えていた。
「さーてと、邪魔者は消えたし釣りの続きと行くか!、ああカリンはちょっと休んでた方がいいな、親父ちょっと見ていてくれよ!」
「わかった、カリンが落ち着くまで私が見ていよう」
兄さんが釣り堀に走って行くのを木陰で休みながら見ていた。
吸い込まれる様な赤い花に完全に意識を持っていかれていた。
「綺麗...」
私は赤い花にそっと手を伸ばす。
私が花の茎に手を伸ばした瞬間に世界が揺れた。
「何!?地震!?」
私はその場に這い蹲り、地震が収まるのを待っていたが治まる気配がない。
次の瞬間、地面が割れ大きい口が見え隠れしていた。
「ひっ...」
私は恐怖のあまり言葉を失った。
いくら町の外とはいえ、こんな奴がいるなんて思いもしなかったのだ。
恐ろしく鋭く尖った牙が見えた時に私の表情は凍りつく。
その時になって学校の授業を思い出した。
赤い花が一本だけ咲いている広い敷地には近づいてはいけない。
なぜならそれは、肉食植物の住処だからである。
この花も最初は白か青らしいのだが、食べてきた肉の血が染み付いていき、最終的に赤く染まるのだ。
ズルズルと落ちていく体を必死に残った地面を握って耐えているが、幼女の力では長い間は掴待っていられない。
だんだんと力が抜けていく中、早く私を食べたいのか触手の様な物を私の足に絡めて振り落とそうとしてくる。
(もうだめ...力が...)
私の握力に限界が来て手を離してしまう。
私は勢いよく落ちたので、このバケモノの養分になってしまうのかと思った次の瞬間。
「カリン!!」
お兄ちゃんと父さんが同時にやってきて触手を素手で破壊し、私を助けてくれました。
「あ...ありがとう...」
私がそう呟くとお兄ちゃんは笑っていましたが、父さんは私の方を一回見ただけで何も言いませんでした。
「さ~てと、ちゃっちゃっと片付けて魚釣り再開だ」
2人が歩いてバケモノのに近づいて行こうとしたので、私は2人の裾を掴んでいました。
「行かないで、あんなのに勝てるわけがないよ...早く逃げよう...」
「あのな、兄さん達はこの国を守る騎士団なんだ、騎士として人間に害なす存在がこんな町の近くにいるのであればそれを倒すのが俺たちの仕事なんだ、まっ心配すんなって、こんな奴ら何度も相手にしてきたから」
簡単そうに言っていますが、どう考えてもあのバケモノは大きくて太くて怖いのです。
私の震える手を優しく包み込んでくれた彼はもう一度静かに笑うと突撃していきました。
「お兄ちゃん!!」
私が必死の声を上げながら静止しようと手を伸ばしたのですが。
「大丈夫だカリン、ローシュは私が育てた、あんな怪物如き素手で充分だ」
父さんの威風堂々とした表情に私は息を飲んだ。
バケモノは触手で兄さんを捕まえようとしているが、彼の動きが素早すぎて追いきれていない様だった。
「はん!、遅ぇな!!」
彼は余裕の笑みを浮かべすぐさま射程圏内に入り素手での一撃を与える。
たったの一撃であの巨体を討伐してしまったのだから驚きだ。
私に手を振りながらこちらを見た兄さんの笑顔を見て私は悟った。
この人たちはこういう現場で血を見過ぎたのだと...。
その証拠に返り血を浴びても微動だにしない彼がそこにはいた。
そんな彼は頼りがいもあるが、何より怖さを感じた。
妹に優しい兄が生まれたのは、こういった戦場で命の尊さを学んだ結果ではないのか?。
そう思うと皮肉に聞こえるが、この考えは間違いではないと言えるだろう。
そうでもないと、ここまでシスコンな兄がいるわけがないのだから。
「とんだ邪魔が入ったがこの死体どうする?親父」
「ああ、私が直接転移魔法で城の実験室に送ろう、こういった魔物は城の研究員が様々な実験に使うらしいからな」
父さんが魔法を唱えると、さっきのバケモノは消えていた。
「さーてと、邪魔者は消えたし釣りの続きと行くか!、ああカリンはちょっと休んでた方がいいな、親父ちょっと見ていてくれよ!」
「わかった、カリンが落ち着くまで私が見ていよう」
兄さんが釣り堀に走って行くのを木陰で休みながら見ていた。
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