なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
53 / 361

歩く天災・お母さん!!

しおりを挟む
 母さんが魔法の犠牲者が出ない様に、兄と父さんに辺りに生き物や人がいないか見てもらっている。
 父さんと兄さんには、とあるスキルがあって、それを使えば広範囲にいる生き物の正確な位置がわかるらしい。
 と言うか、犠牲者が出るかもしれないほど強力な魔法ってことなのか?。

「準備できた~?」

 母さんが父さんと兄さんに声をかけている。

「OK、こっちには生物はいない」

「こちらも同じく」

「カリンちゃん、よく見ててね、お母さんの魔法♪」

 2人が答え終わると、母さんは詠唱に入る。
 初めて見る母さんの魔法を息を飲みながら見つめる。
 何だろう...少し肌寒い気がする。
 いつもの母さんのはずなのだが、なぜか怖い。
 魔力の渦の様な物を肌で感じているのだろうか?。
 空気が震えながら、大地が揺れ始める。
 母さんの周りによく分からない魔法陣が何重にも重なり会い、複雑な術式を組み始めている。

「世界に住まう精霊達よ...、今一度理を紐解き、我の願いを聞き入れよ!、煉獄生成魔法!!インフェルノ!」

 母さん魔法を唱え終わると、大気が震えた後に凄まじい爆炎を起こした。
 花火だとかいう次元ではない、この威力はまるで学校で習った核の様な物にさえ思える。
 さっきまで平和そうな草原だった場所は、在ろう事か戦後の荒地の様になってしまった。
 草木の焼ける匂いがここまで臭ってくる。

「だいたい6割くらいに抑えたけれど、どうだったカリンちゃん?」

 少し心配そうに私の方を見てくる母さん。
 母さんが私に自分の魔法を見せたくなかった理由がわかった。
 そりゃこんな破壊力のある魔法を扱える母さんなんて、怖くて近寄れなくなると思うと思っても不思議ではない。

「ちゃんと後で元に戻すから安心して、お母さん治す方が得意なの」

 母さんがさっきと同じ口上で違う魔法名を唱えると、さっきの草原へと徐々に戻っていく。
 兄さんと父さんはやれやれといった様な表情で母さんを見ている。

「母さんの魔法はいつ見ても凄いけど、破壊力ありすぎて実研もできないんだよな...」

「ローシュ、それは仕方ない事だ、エルカの能力が高すぎて、今の技術力では測りきれないのだから...」

 少し皮肉そうにいう2人だったが事実なのだろう。
 私だって、毎日こんな魔法を近所でぶっぱなされたら溜まったものではない。
 すぐに苦情を出しに行くに決まっている。
 母さんの凄さは理解したが、それと同時に確かな恐怖を感じた。
 この人は出来るだけ怒らせない様にしようと思える。
 これだけのことをやっておきながら6割?頭おかしいんじゃないかと思うのだが口には出さないでおく。
 そもそも母さんの魔法が見たいと言い出したのは私なので、責任は私にある。
 このことがきっかけで母さんとの関係を悪くするつもりは毛頭ない。

「お母さんすごい!、今度私にも魔法を教えてほしいな!」

 軽く言ってみると、母さんは少し嬉しそうにした。

「分かったわカリンちゃん!、でも今のは難しいから初級魔法からね」

 今の魔法をいきなり教えられても困るのは分かりきっているので、簡単な魔法から教えてもらうつもりである。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。 全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。 神様は勘違いしていたらしい。 形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!! ……ラッキーサイコー!!!  すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

私、のんびり暮らしたいんです!

クロウ
ファンタジー
神様の手違いで死んだ少女は、異世界のとある村で転生した。 神様から貰ったスキルで今世はのんびりと過ごすんだ! しかし番を探しに訪れた第2王子に、番認定をされて……。

処理中です...