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逃走の始まり...
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「くっ...、まさかここまで追っ手の手が早いとは...」
「フィア...、このままで大丈夫かな...」
私の手の中で怯える彼女の頰を優しく撫でながら、私は声をかける。
「大丈夫ですサヤカ様...、このフィア =コルスタールがいる限り、姫さまには指一本触れさせませんから」
「...、うん...私はフィアを信じる...」
優しい笑みを浮かべてくれたので、私はホッとする。
今この状況で1番困るのはとりみだされ事である。
ふうっと息を吐きながら小屋の裏手からこっそり逃げる。
森の中を2人で走り去るのだが、追っての足が速い。
サヤカ様の足が遅いのは仕方ない事なのだが、このままでは追っ手に追いつかれてしまうと考え剣を構えた。
「姫さま...、しばらくの間目を瞑っていて下さいね...」
「わかった...、フィア...」
彼女が目を瞑るのを確認すると剣を引き抜く。
今は彼女以外に私の仲間はいない。
ここに来る前に大きな戦があった。
我がローゼント王国が同盟国だったはずのスタニア王国からの襲撃を受けたのだ。
当然我が軍も応戦はしたのだが戦力差が大きすぎた。
我がローゼント軍2000に対しスタニア軍10000という圧倒的戦力差により城は落城、そして私達騎士団と姫さまの逃亡生活が幕を開けたのだった。
(敵は3...いや...4人はいるな...、空気の揺れようからして木の上から襲ってくる...)
私が身構えていると、予想通り刺客が木の上から飛びかかってきたのでカウンター気味に切り返す。
私の反撃を予想していなかったのかあっさりと肉が切れる音ともに生暖かい血が私に降りかかる。
1人仕留めると急に足音がしなくなり嫌な沈黙が辺りをつつみ込んだ。
恐らく私の事を警戒し、潜伏する事にしたのだろう。
だが無駄だ...、私には風の神の加護があるのだから...。
目を閉じて聴覚に全ての意識を向ける。
私は加護を受けている為、空間にあるわずかな空気の流れから敵の位置を把握できるのだ。
大体の位置を確認した私は風の斬撃を飛ばし次々に刺客を葬っていく。
4人の処理を終えると姫さまに声をかける。
すると驚いたよう表情で私の頰に付着した返り血に触れ心配されるように声を震わせています。
「フィア...血が!」
「サヤカ様ご安心を!、返り血です、それより早くこの場から離れましょう」
いつまでこんな事を続けなくてはいけないのかわからないが、今はただ逃げる事しかできない。
とりあえず国境を超え隣国のシュウスター国を目指すつもりなのだが、至る所に関所を建てられており、迂闊に動けないでいるのが現状だ。
流石の私でも関所の単騎突破など不可能だと考えている。
いくら風の神の加護を受けているとはいえ、所詮1人で出来ることなどたかが知れているのだから...。
今はこの辺りの警戒が薄くなる事に期待し、この森に潜伏するしかないのだが、それもこの刺客達の死体が見つかればより警戒は強固な物になるだろう。
どう考えても発布塞がりなこの状況を打破する手立てを考えていると、彼女はこう尋ねてきました。
「フィア...、お父様は...」
「サヤカ様...、ご安心ください!貴女様は私がこの命を賭けて守ると誓います!なのでそのようなお顔をされるのはよして下さい!」
「フィア...」
彼女は再び心配そうな表情で私の顔色を疑ってきたので、私は微笑みを返します。
サヤカ様のお父様は先日の戦により戦死しています。
その時の遺言により我らローゼント騎士団はサヤカ様を守る事を言い渡されたのでした。
その逃亡生活も2週間程経ち、少しずつ仲間を失って、今では私1人になってしまいました。
一体何年追われる続けるだろうとしても、ローゼント王家の血筋だけは絶やされてはいけないのです。
たとえ1人になろうとも彼女を守るという強い意志がある限り私は頑張れます。
そうしなければ死んでいった同胞達に顔向けができません。
きっと私が国境の外へと逃して見せるという自信がある訳ではないのですが、騎士の誇りにかけて諦める訳には行かない私なのでした。
「フィア...、このままで大丈夫かな...」
私の手の中で怯える彼女の頰を優しく撫でながら、私は声をかける。
「大丈夫ですサヤカ様...、このフィア =コルスタールがいる限り、姫さまには指一本触れさせませんから」
「...、うん...私はフィアを信じる...」
優しい笑みを浮かべてくれたので、私はホッとする。
今この状況で1番困るのはとりみだされ事である。
ふうっと息を吐きながら小屋の裏手からこっそり逃げる。
森の中を2人で走り去るのだが、追っての足が速い。
サヤカ様の足が遅いのは仕方ない事なのだが、このままでは追っ手に追いつかれてしまうと考え剣を構えた。
「姫さま...、しばらくの間目を瞑っていて下さいね...」
「わかった...、フィア...」
彼女が目を瞑るのを確認すると剣を引き抜く。
今は彼女以外に私の仲間はいない。
ここに来る前に大きな戦があった。
我がローゼント王国が同盟国だったはずのスタニア王国からの襲撃を受けたのだ。
当然我が軍も応戦はしたのだが戦力差が大きすぎた。
我がローゼント軍2000に対しスタニア軍10000という圧倒的戦力差により城は落城、そして私達騎士団と姫さまの逃亡生活が幕を開けたのだった。
(敵は3...いや...4人はいるな...、空気の揺れようからして木の上から襲ってくる...)
私が身構えていると、予想通り刺客が木の上から飛びかかってきたのでカウンター気味に切り返す。
私の反撃を予想していなかったのかあっさりと肉が切れる音ともに生暖かい血が私に降りかかる。
1人仕留めると急に足音がしなくなり嫌な沈黙が辺りをつつみ込んだ。
恐らく私の事を警戒し、潜伏する事にしたのだろう。
だが無駄だ...、私には風の神の加護があるのだから...。
目を閉じて聴覚に全ての意識を向ける。
私は加護を受けている為、空間にあるわずかな空気の流れから敵の位置を把握できるのだ。
大体の位置を確認した私は風の斬撃を飛ばし次々に刺客を葬っていく。
4人の処理を終えると姫さまに声をかける。
すると驚いたよう表情で私の頰に付着した返り血に触れ心配されるように声を震わせています。
「フィア...血が!」
「サヤカ様ご安心を!、返り血です、それより早くこの場から離れましょう」
いつまでこんな事を続けなくてはいけないのかわからないが、今はただ逃げる事しかできない。
とりあえず国境を超え隣国のシュウスター国を目指すつもりなのだが、至る所に関所を建てられており、迂闊に動けないでいるのが現状だ。
流石の私でも関所の単騎突破など不可能だと考えている。
いくら風の神の加護を受けているとはいえ、所詮1人で出来ることなどたかが知れているのだから...。
今はこの辺りの警戒が薄くなる事に期待し、この森に潜伏するしかないのだが、それもこの刺客達の死体が見つかればより警戒は強固な物になるだろう。
どう考えても発布塞がりなこの状況を打破する手立てを考えていると、彼女はこう尋ねてきました。
「フィア...、お父様は...」
「サヤカ様...、ご安心ください!貴女様は私がこの命を賭けて守ると誓います!なのでそのようなお顔をされるのはよして下さい!」
「フィア...」
彼女は再び心配そうな表情で私の顔色を疑ってきたので、私は微笑みを返します。
サヤカ様のお父様は先日の戦により戦死しています。
その時の遺言により我らローゼント騎士団はサヤカ様を守る事を言い渡されたのでした。
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