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黒服とリムジン

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 私とカズ君は約束通り金曜日の就業時間から東京に向かうために黒服を呼びつける。

 ちなみに黒服とは私のボディガードの事でで常に5人ほどが私の周りに集会しています。

 黒服の給料は月額100万程度で年2回のボーナスが200万ほど出るのでかなり高額の仕事だとは思います。

 勿論これも私が払うことになっているので、これくらいの金額は自分で払えるように毎日株を買い続ける必要があるのでした。

 今思えばこれも父様から与えられた課題のようなものですね。

 上に立つ者は下の者の給料くらい払えなくてはならない。

 至極当然で当たり前のことです。

(人は人情などで動かない。人を動かせる金こそこの世でもっとも強い力)

 父様の事ですが私は人情という空想も大好きなのです。

 なので愛を金で買うことはしたくありません。

(私は本心からカズ君に好かれたい...♡)

 そういった思いを胸に秘めながら車の手配を進める。

 私はカズ君に粗相のないように2億5000万程度するゆったりとした内装のリムジンを選び、運転手と黒服を呼びつける。

「成香! すぐに準備なさい」

 私の声と共に黒服のスーツに身を包みこんだ黒髪の美女が現れる。

「はっ!」

 彼女の名前は藤井成香。

 私の専属ボディガードで私に護衛術を教えてくれた先生だ。

 今でも体が鈍っていないかチェックされるので、私はちゃんとそれもこなしている。

(カズ君の為の体型維持に運動は欠かせないもの♡)

 私は自分の身を守る為というよりは、カズ君の為の体型維持として護衛術訓練を受けていたのですが、身につけておいて損するものでもないのでちゃんと全部覚えています。

 彼女の準備が終わるとピカピカに磨かれた黒塗りのリムジンが現れる。

「じゃあ行きましょうか」

「「「「「はっ!」」」」」

 私の言葉に集まった黒服の5人はそう声を出すのでした。
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