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投資の世界

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(アメリカのD社の車株が0.6%下降してる...、だったらさっさと売却して先進国じゃないけど今地味に伸びてるアフリカのDA社に400万投資、そして前に株価が10%も伸びたロシアの武器製造業も今の戦争が終わればきっと落ち着くからな~...、いつ売るか悩ましい)

 私はパソコンの画面に表示される株価をチェックしながら片手間に東大法学部の問題を解く。

 このくらいは朝飯前だが、正直言ってつまらない。

(こんな事をしてるよりもカズ君と一緒にくだらない話をしたりゲームをしてたりした方がずっと楽しいのに...)

 はっきり言うと私はこれ以上自分が資産を保有する事をあまり良く思っていない。

 なぜなら、私とカズ君が結婚して子供を授かっても更にその先に続くまでの資産が既に愛川家にはあるからだ。

 だと言うのにお父様を含む愛川家の者達は欲深く更に資産を伸ばそうとているのだ。

 勿論それが悪い事ではないと私もわかっている。

 けれども私はやっぱりそんなくだらない稼ぎに没頭する時間が惜しい。

 私は二つを同時に更新しながらスマホに手をかけるとカズ君からの連絡があったので思わず手を止める。

「あっ! カズ君からだ!」

 私にとって株で億稼ぐよりも法学部の問題を解く快感よりもカズ君との一通のやりとりの方が遥かに幸福感を得る行為なのだ。

『結美! 明日は人生ゲームするからな! 時間空けといてくれよ!』

 そのメッセージに私は嬉々として返す。

『うん! 絶対に行くよ! むしろカズ君と2人だけ人生ゲームしたいな...』

 私の意図を汲み取って欲しいのですが、カズ君はとっても鈍感なので気がついてくれないでしょう。

『ああ、まあ2人だと人生ゲームするよりも他のゲームで遊んだ方がいいな』

『うん! 他のゲームしようね♡』

 とこの辺でメッセージを打つのをやめておく。

 以前にメッセージを送りすぎて引かれてしまったからである。

「カズ君ったら...♡ 本当にシャイなんだから♡」

 でもそんな彼も好きなのです♡

 私はカズ君からのメッセージを見ながら静かに微笑んでいるのでした♡
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