最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

小鳥遊優樹②

「何それ！？　嫌だよ！！！　せっかくまた会えたのにもうお別れなの！？」

「...悪いな」

　俺は頭を掻きながら怒る優樹の方を眺めていた。

「...和希」

　少し寂しそうな表情を浮かべる彼女に俺はこう呟く。

「まあ、心配するな。俺はここからお前ら全員を見守ってやるからよ」

「...そういう事じゃないよ！　ねぇ和希！　あなたはこっちに来られないの！？」

　顔を赤くしながらそう叫ぶ彼女に俺はこう返す。

「...誰かの体を依代とすれば可能だが、調停者の肉体を維持するということは後で必ず死ぬということだからな」

「...だったら私が依代になるよ？　体と魂が一心同体になっても私は構わない！　だからこれからも一緒にいよう？」

　優樹の表情は真剣そのものだが、俺はもう覚悟を決めている。

「...ダメだな。勇者である優樹の体を使えば確かに現世に俺は降りたてる。しかし、それだとお前の体を奪っていた調停者と同じことになるからな。もう俺は調停者と言うシステム自体を消し去りたいんだよ。ここから見守るというのはそういうことだ」

「...つまり和希は調停者のシステムを行使せずにここでずっと1人でいる道を選ぶってこと？」

　優樹の言葉に俺は静かに頷くのだった。