最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

吹雪の中に聳え立つ氷の城

　俺たちがゲートの中に入ると、そこは一面氷の世界だった。

「うおっ！　さむっ！」

　こんな時は...！

「ミルティ召喚」

　いつものようにミルティを召喚して凍傷対策をする。

「カズ君、私も手伝うね」

「結美は少し加減しろよな。無駄に魔力を使われても困るから」

　俺の言葉に彼女は頷きながら炎の魔法を展開する。

「ありがとうございます！　愛川さん！」

「すげ～な！　これあったけぇ！」

　佐藤も蜜香も喜んでいるようで何よりだ。

　改めて周囲を見回すと、そこはまるで異世界の城下町のようだった。

　人も建物全てが完全に凍りついてしまっているが、人の営みがそこにあったのだと確信できる程には確認ができる。

(強い魔力の波動は...あっちからか？)

　凄まじく強い魔力を敏感に察知した俺たちはその方角に向かう。

　その方向に向かうにつれて寒さが増していくのが分かる。

(どんどん寒くなっていくな)

「結美、悪いが火力を上げられるか？」

「うん、分かった！」

「私ももうちょっと火力を上げるね！」

　ミルティと結美がいなかったらこの時点で雪だるま確定だったな。

　他のパーティの死体も見つかっていないし、遭難してたってオチで終わってくれたら楽なんだがな...。

　そう言いつつも俺たちは1番可能性があるであろう強大な魔力の方に向かって険しい道を進んで行くのだった。