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お茶会

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 彼の部屋は骨董品が多く貴重な物もチラホラと置いてある。

「この絵画は...」

「流石愛川さんだね。それは有名な死を迎える恋人の原画だよ」

 男性が手を伸ばして体が白骨化して死にゆく妻に手を伸ばしているだけの絵だが、シンプルゆえに凄味を感じる。

「愛する物を救う為に手を伸ばす男性ともう後がないほど疲弊した女性の愛を描いた素晴らしい作品だ」

「...そうね」

 そこだけは彼と同じ感想が出てきた。

(...もしもわたしがこの絵の女性のように死にかけた時、カズ君はどんな顔をするんだろう)

 私の為に涙を流してくれるのだろうか? それとも別の感情で私を励ましてくれるのだろうか? などの考えが思考を支配する。

 そうしているとティーカップを持ったメイドさん達が部屋に入ってきた。

「銀二様。お茶が入りました」

「ご苦労、では僕は愛川さんと話がしたいから席を外してくれないかな?」

「はい」

 メイド達が退散すると今度は私のSP達にまで命令してくる。

「悪いけど、君たちも出て行ってくれないかな?」

「...なっ!?」

 SP達が声を荒げた時にわたしが手を上げて下げさせる。

「いいわ、下がってちょうだい」

「結美様、ですが...!」

「聞こえなかったの? 私が下がれって言ってるんだよ?」

 私の瞳を見た彼らは「は...はいっ!」と声を上げた後に退室した。

「...ごめんなさいね。躾がなってなくて」

「いやいいんだ。それよりもようやく2人っきりになれたね。何から話そうか」

 少し楽しそうにしている彼に私の方から切り出すのでした。
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