最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

あれっ？

「教頭先生！」

　俺の言葉に教頭先生が振り向いた。

「おおっ！　本校の誇りである高坂君ではないか！　何かようかな？」

　明らかに成金みたいな格好をしているがそこは突っ込まないでおこう。

「教頭先生！　全校生徒の名簿を見せてくれ！」

「んっ？　個人の情報を公開するのは学校側としても良くないんだが...」

「すみません。他言はしないので少し見せてほしいんです！」

　俺の熱量に押された教頭先生は全校生徒の名簿を見せてくれた。

「ありがとうございます！」

　そして名簿を見ていると不自然な空白の多さに驚いた。

(...やっぱり。一般人の【覚醒者】への記憶が改竄されている？)

　ページを捲っていくと小日向美穂のページにも空白が見られた。

「...ありがとうございます」

「どうしたんだい急に？」

　キョトンとする教頭先生に俺は質問をする。

「教頭先生。最近生徒数が減ったと思いませんか？」

「生徒数が？　おかしな事を言うな高坂君は。君のおかげで爆増しているに決まっているじゃないか！」

「いえ、そういう話ではなく」

「はっはっはっ！　君達『ボードゲーマスターズ』の活躍にはこれからも期待しているよ！」

　ぽんぽんと肩を叩かれながらそう言われたが、俺の質問にはあまり本気で答えていない印象を受けた。

「...教頭先生」

「んっ？」

「この名簿妙に空白が多くありませんか？」

「おおっ！　そうだな！　わしとした事がうっかりしとった！　後で直しておこう！」

「...」

　何を話してもダメなようだ。

『クリアワールド』に連れ去られた【覚醒者】は一般人の記憶から消える。

　そう考えるとヤバい気がしてくるのだった。