最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

EX.嫉妬

「私...何を口走っちゃったんだろう...」

　あの時の高坂先輩の表情が頭に浮かんで離れない。

「うぅ...！」

　病室の天井を眺めながら悔しさに打ち震える。

　先輩に格好いい所を見せようと思ってから一度もいい所なんて見せられていない。

　それどころか毎回のように助けられてばっかりなのだ。

　自分が情けなくて惨めで仕方がない。

「私は...強くなりたい...！」

　私は愛川先輩にも負けないくらい強くなりたいのだ。

　そうすればきっと高坂先輩も私の事に興味を持ってくれると思う。

　私は高坂先輩のことが...。

　そこまで思いかけた時だった。

「強くなりたいか？」

　急にベランダの方から男性の声が聞こえてきた。

「誰？」

「俺か？　俺は高坂森虎」

「高坂...？」

　高坂先輩の親戚だろうか？　まあ、苗字が同じ人なんて沢山いるしね。

　森虎と名乗った男はベランダの方から入っ来てこう呟いた。

「俺達は君みたいに強さを求める【覚醒者】を集めているんだ。俺達と来ればきっと強くなれる」

「...先輩達のように？」

　私の言葉に男は満面の笑みを浮かべた。

「ああ、先輩達よりも強くなれるさ」

「私が先輩達よりも強く...」

　私が愛川先輩よりも強くなったら高坂先輩も認めてくれるよね？

　私はすがるような思いで男の手を取るのだった。