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大会③

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「佐藤ちゃん! きてたんだね!」

「この前のおっちゃん! 今日も負けね~からな!」

 佐藤は自分のデッキを握りしめてそう叫ぶ。

「へへっ! 今日は俺だって大会用の構築にしたからな! 高坂氏にも負ける気はない!」

 そうはっきりと言うキモオタに俺はこう答えた。

「それはこっちのセリフだ」

「...それはそうとそちらの美人さんは?」

 キモオタの視線が結美に移る。

「愛川結美と言います。こちらにいるカズ君の...です♡」

 その言葉に会場中がざわめいた。

「嘘だろ!? あんな冴えない男があんな美人と!?」

「ありえん! 絶対にありえん!!!」

「お姉さ~ん! そんな奴より俺と遊ばない?」

 となんかチャラい奴らに声をかけられる結美だったが...。

「...はっ?」

 冷たい視線を他の人物に浴びせかけて黙らせる。

 全く興味のない汚物でも見るような瞳で突き刺す視線はかなり痛いのだろう。

 それだけで他の男たちのやる気を無くさせる。

 美人が自分達に全く興味が無いと言う事実は相当効くのだろう。

 こうして更に少子高齢化が進むんだろうなと思う。

 まあ、結美は元々俺にしか興味が無さそうな感じがするし仕方ないよな...。

 そんなこんなで早速大会が始まるのだった。
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