上 下
326 / 912

レッドゲート攻略完了

しおりを挟む
 結局、俺はラセルをテイムしていない。

 だが、ダラーンに言われた通り彼女を仲間に引きれる事にはした。

 仲間にすると言うよりは保護すると言ったほうが正しい気がするがな...。

 なぜなら、ダラーンの娘などこの世界に置いて不穏分身でしかないのだ。

 放って置いたらいつかは殺されてしまうだろう。

 それは流石に目覚めが悪い。

 まだ何もしていない幼子を処刑に処すのは俺が許さない。

 という事ですアルシェにはこの事を内密にしてもらうことにした。

 表向きは俺たちがダラーン軍を完全に打ち負かしたと言うことにしておけば問題ないだろう。

 親を殺した相手に忠義を尽くすなどこんな小さな子共には心苦しいと思うので、今はそっとして置いて好きな事をやらせようと思う。

 隠して一連のレッドゲート攻略が終わりを迎えるのだった。

 そして...。

 ~後日~

「アルシェ様!? 本当に行かれてしまうのですか!?」

 沢山の兵士たちに囲まれてこの国に止まるように言われているアルシェだったがこう言い返した。

「すみません皆さま。私は此度の勇者佐藤武さまにこの身を捧げるという名目で力を借りてエトランゼ王国を救って貰ったのです。なので既に好みはエトランゼ王国のものではなく佐藤武様の物なのです」

 そう答えながら身長的にちっちゃいシュガーを抱きしめるアルシェ。

「私はこれから佐藤様の世界で彼女の尽くすことにしました。エトランゼ王国はこれより国民の手で盛り上げてってください。王の独裁政治ではなく国民の手でよりよい法律を作り上げて独立するのです! それがエトランゼ王国最後の女王アルシェ=エトランゼの最後に国民の皆様へと残す言葉です!」

 アルシェの言葉に国民は涙を流していたが、これも仕方ない事だろう。

 ダラーンを倒したことによりゲートクリアしてしまったからにはこの世界に俺達はは二度と戻って来られないのだから...。

「じゃあ良いな?」

「はい、私に後悔はありません。私は佐藤様の伴侶なのですから...。彼がどのような姿になってしまってもこの心に嘘偽りはありません」

 その言葉を聞いていた佐藤はこう呟くのだった。

「アルシェちゃん...! 俺が絶対に君を幸せにして見せるよ!」

 佐藤はそう言い切るとアルシェを抱きしめ返すのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

始めのダンジョンをループし続けた俺が、いずれ世界最強へと至るまで~固有スキル「次元転移」のせいでレベルアップのインフレが止まらない~

Rough ranch
ファンタジー
 人生のどん底にいたこの物語の主人公こと清原祥佑。  しかしある日、突然ステータスやスキルの存在するファンタスティックな異世界に召喚されてしまう。  清原は固有スキル「次元転移」というスキルを手に入れ、文字通り世界の何処へでも行ける様になった!  始めに挑んだダンジョンで、地球でのクラスメートに殺されかけたことで、清原は地球での自分の生き方との決別を誓う!  空間を転移して仲間の元へ、世界をループして過去の自分にメッセージを、別の世界線の自分と協力してどんどん最強に!  勇者として召喚された地球のいじめっ子、自分を召喚して洗脳こようとする国王や宰相、世界を統べる管理者達と戦え! 「待ってろよ、世界の何処にお前が居たって、俺が必ず飛んで行くからな!」

現代ダンジョンで成り上がり!

カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる! 現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。 舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。 四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

転生の書〜陰キャぼっちの俺だけ実は人生強くてニューゲーム中だということを誰も知らない〜

椰子カナタ
ファンタジー
ある日、世界中にダンジョンが出現した。ひょんなことからレベルアップの能力を得た影ノ内孤太郎は、その能力を活かして世界最強の冒険者になる。そして孤太郎は最後のダンジョンをクリアしたが、世界にはもう、孤太郎しか生きている人間は存在しなかった。そこで孤太郎は、全ダンジョン踏破特典として手に入れた、『転生の書』を使用する。 こうして、孤太郎の文字通り第二の人生が始まった。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

処理中です...