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帰り道

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 結美はバッグの中にピンバッジを沢山入れて歩いているので常にガチャガチャ鳴っている。

「ピンバッジでもこれだけ入るとまあまあ重たいね」

「まあ、あそこであれだけピンバッジ集める奴も珍しいからな」

 実際あそこの寿司屋でガチャを回している奴なんて初めて見たもんな。

 でも、嬉しそうな彼女の表情は最高だった。

 ガチャを回している時の真剣な表情も当たった時の嬉しそうな顔も俺にとっては良い経験値になっている。

 彼女の色んな表情を見るのは正直楽しい。

 結美は確かに美人なんだけど、それ以上に表情の変化が凄く良いのだ。

 寧ろコロコロ表情が変わるからこそ結美は美人なのかもしれないな。

 ほら、いつも無表情なやつよりも笑顔を振りまく子の方が可愛いだろ?

 完全に俺の主観ではあるが、実際そうだと思う。

 美人とかでも話して楽しいやつと楽しくない奴がいるが、絶対に前者の方が人気があるからな。

 ...。

(あれっ?)

 今更だが結美が俺たち意外と一緒にいる所を見たことがないな...。

 まあ、仲のいい友達がいればそこに集まるのは当然だが、結美の場合はそれが行きすぎてないか?

 俺がそう考えていると、結美がこんな事を言い出した。

「今日は楽しかったね」

「まあな。たまにはこう言うのもいいかもしれないな」

 しかし、結美は蜜香の実家に戻る道中。

 蜜香の実家が見えてきた所で突然立ち止まる。

「どうした?」

 と呟く俺に彼女はいきなり口づけを行うのだった。
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