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【聖騎士】VS【闇の支配者】②

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「もう、お休み」

 結美がそう呟いた瞬間に、なぜか急接近していたはずの伊藤の方が吹き飛ばされていた。

 建物の上から吹き飛ばされた伊藤は看板にヘコみを入れるほどの勢いで叩きつけられる!!!

「ガハッ!!!」

 血反吐を吐きながら地上に落下する伊藤を見ていた結美は背筋を伸ばしながら大きな声でこう言った。

「あ~! 1発殴ったら凄くスッキリした!!!」

 物理職でもない結美がどうやって伊藤を吹き飛ばしたのか疑問には思うが、今回の戦いは結美の勝ちで良いだろう。

「ぐ...うぅ...!」

 どうにか立ちあがろうとしている奴に結美はこう呟いた。

「今回の町への被害は全て貴方が持つ事、それといずれ貴方には私達をはめたことの報いを5割増しで受けて貰うから覚悟して置いてね」

 まるでゴミを見るような冷たい目を伊藤に浴びせかける結美だったが、俺が近づくと「カズ君♡ あんなゴミのせいで楽しいデートを中断させてごめんね! 続きを楽しみましょう♪」と切り替えの速さを披露する。

 俺と結美がその場を去ろうとしていると「ま...待ちやがれ!」と言い出す伊藤に彼女は冷たい言葉を吐いた。

「待ちやがれ? そんな口の聞き方じゃ待ってくれる子なんていないよ? そもそも貴方を本当の意味で理解してくれる人なんてこの世界にいるのかしらね? それに勝手に怒って暴力を振りかざした結果、女の子1人相手にタイマンで負けるなんて相当に無様な姿を晒していると言うことをお忘れなく」

 結美のキレっキレっの煽りに顔を真っ赤にしながら大声を張り上げる伊藤。

「...ぐっ! おい! メス!! 愛川が逃げる!! 俺に早く回復魔法をかけろ!!! 今この場で再戦するんだからグズグズするな!!!」

「は...はい!!」

 伊藤の彼女が走りながら俺たちの横を過ぎ去る時に結美はこう呟いた。

「親の意向とは言えあんな男と付き合っている貴女に同情します」

 結美のその言葉を聞いた彼女は一瞬立ち止まり、結美の後ろ姿を見つめているのだった。
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