最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

松林謙

「今回のリーダーを務めさせてもらう松林謙だ。職業は【重装者】を取得している」

　松林謙と言った男は堅物そうな男だったが、その巨躯と背中に背負う大剣と大盾のせいで凄まじい人間戦車のようにも思えた。

　その言葉を聞いていたもう一つのパーティのリーダーらしい銀髪の痩せこけた男が文句を垂れる。

「おいおいおい！　誰がお前をリーダーにすると言った！？　俺様がリーダーやらせて貰う！　この中で1番強い【呪装使い】の俺様がやるべきだろ？」

「何？　貴様名を名乗れ！」

「俺様は横川慶次。よく覚えておけ！　貴様らのリーダーに仕方なくなってやる男の名前だ！」

　そうイキッている横川の後ろから白いローブを纏ったボインのお姉さんが口を出した。

「もう慶次ったら！　すみませんね、うちの弟が調子に乗っちゃって」

「姉貴！　だってこいつが...むぐっ！？」

　頬を摘んで声を出せないようにした後で松林に謝るボインの姉ちゃん。

「いえ、見たところまだ幼なそうですし、まあいいでしょう。ですが子供をゲートに入れるのはあまり感心しませんな」

「あら？　あちらのパーティは子供だけみたいですよ？」

「何ですって？」

　そう言いながら俺たちの方を見てくる松林。

「君たち、それは本当かな？」

　そう言われたので一応答えておく。

「ああ、俺と結美と蜜香は高校生で真菜は小学生だ」

　一気に不機嫌そうな表情を浮かべる松林はミルティに視線を向ける。

「あの子は？」

「ああ、あれは俺の使い魔だ。だからパーティ上4人にはなっているが、実質5人以上だな」

「ふむ、なるほどよくわかった。では今回のパーティ編成は横川パーティ2名、高坂パーティ4名、松林パーティが3名と言う事だな？」

「ああ、それで問題ないぜ」

「一応言っておくがゲート内で死んでも責任は取れないし骨も拾ってやれない可能性もあるがいいか？」

「そんな覚悟とっくにできてる」

　そうでなければ俺たちはもう【覚醒者】として仕事をしてないだろう。

「分かった。では今回の目的をもう一度言っておく。まずはゲート内の調査。そして大した物がなければダンジョンを攻略してもいいとの事だ。中に入ったら俺がリーダーを行う。これでいいな？」

「ああ、問題ない」

「では行こうか。ゲートオープン！」

　そう言いながら松林はゲートを開くのだった。