最弱系TS魔王アリカちゃんが行く!妹との世直し!人間供を完全支配する為に奴らに味方する【守護天使】は全て滅ぼしちゃえ!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
上 下
48 / 48

収穫なし

しおりを挟む
 「はぁ...」

 深くため息を吐いた俺に妹が声をかけてくる。

「ね~ね? どうしたの?」

「ああ、思った以上にアルメアから聞き出せた情報が少なくてな。 期待していただけに残念だ」

「そんな情報がなくても私が全て粉砕しますから問題ないですよ」

 俺とリウの会話に何故か脳筋のクラウニーが割り込んでくる。

「いや、情報は大事ですよクラウニーさん」

 それをケロ次郎が指摘する。

 そうだぞケロ次郎、もっと言ってやれ。

 俺がケロ次郎の肩を持っているとついに大洞窟の奥から光が見えてきた。

「ついに砂漠から抜け出せるのか?」

 そう思いながら進軍を続けると、ついに森林が見え始めたのだった。

「やった~!! 木だぞ! 木!」

「ね~ね!! お花があるよ! 花の冠作ろうよ!!」

 自然の多さに早速大興奮の俺とリウ。

 転生してきた先がちょうどこんな感じの場所だったのを覚えているからだろう。

 俺とリウのはしゃぎ振りに笑う仲間たち。

「ほらほらお前たちもここで一旦休憩だ! 今日は勝利の余韻にこの森で遊ぼうぜ!」

 俺の言葉に進軍は一度止まる。

 そして【ダンジョンメイキング】を行い簡易的なパーティ会場を作った。

 後で取ろうと思っている食事は先ほどの砦で奪った兵糧だが進軍中だと思えば充分だろう。

 しばらく遊んでいるとケロ次郎とクラウニーが大型の猪を仕留めて今日の晩ご飯は兵糧から猪鍋に変更になった。

「ね~ね! 花冠できたよ!」

 なかなかの出来に俺は妹の頭を撫でる。

「おっ! 上手だなリウ!」

「ね~ねの頭にかけてあげるね」

 妹の手作り花冠を頭にかけて貰うと嬉しくなってくるな。

「ありがとうなリウ」

「うん!」

 妹とこうしてゆったりとした時間を過ごすのはいつぶりだろうか?

 思えばここ最近は【魔王】としての激務が多くてあまり遊んでやれてなかった気がする...。

 だからこそ今日くらいはしっかり妹の趣味に付き合おうと思う。

 今度は俺がリウの花冠を作ってやろうと思い、リウ指導のもと花冠を作る。

「できたぞ!」

 と言いながらできたのは妹の作った物と比べれば品質が明らかに悪い物だった。

(うわ...俺の図工レベル1かよ!)

 そう思ってしまうほどに酷い物になってしまったが、妹は「早くリウの頭に乗せて」とせがんできた。

「いや...これ失敗作だと思うんだが...」

 俺がそう言っても妹は聞かない。

「その花冠が良いの! ね~ねが一生懸命リウの為に作ってくれた花冠だから!」

 妹の満面の笑みに俺は思わず泣きそうになる。

「リウ...」

 俺は妹の名前を呟きながら王冠を彼女の頭の上に置いた。

 不思議と頭に被ってしまえば似合う物だ。

「ありがとう! ね~ね!」

 太陽のような満面の笑みに俺も微笑んでしまっていた。

(この笑顔を守る為にも俺は負けられないな...)

 そう思いながら今日1日を妹の為に使えたことを有意義に感じているのでした。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

入れ替わった恋人

廣瀬純一
ファンタジー
大学生の恋人同士の入れ替わりの話

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

処理中です...