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砂漠の監獄での1日
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俺とリウは他の受刑者と同じように働かさられていた。
しばらく働いているとここにはモンスターの受刑者しかいない事がわかった。
ちなみに看守は全員人間である。
不毛の大地に稲を巻き農作しているのだが、こんな枯れ果てた大地で稲など育つはずがない。
「ね~ね...これじゃあお米が育たないよ...」
一度だけ田植えの経験をしていたリウでさ分かる事をここの看守達が知らない訳がないだろう。
「ああ、分かってるさ、でも今は無意味でも奴らの命令を聞かなくちゃ行けないんだ」
そう言いながら俺とリウはクワを手に取り畑を耕して行く。
そうしていると不意に看守長であるブーヤンの怒鳴り声が聞こえてきた。
「貴様!! 大切な種籾をぶち撒いたな! よって処刑に処す!」
(いきなり処刑かよ!)
俺は思わず止めようと走り出そうとしていたが、ブーヤンが処刑にするといった割になかなか次の行動に移さない。
しばらくその受刑者の顔を見た後にこう呟いた。
「まあ良い、その代わり今日の夜に俺の所へと来い」
それだけで済まされた受刑者に近寄る俺達。
「大丈夫か?」
「あ...ああ、ありがとう」
ひどく痩せてはいるように見えるが声質的にまだ大丈夫そうだ。
手を出して彼の手をとってあげると思わずあの名前が飛び出した。
「...ケロナ?」
「えっ?」
そう、その受刑者の顔がケロナそっくりだったのだ。
蒼い髪に中性的な体つき...。
痩せていなければまさしくケロナと見間違えていただろう。
「ケロナ? 誰? 僕はケロ次郎だよ」
「ケロ次郎?」
「...まあいいや、僕はもう行くね、今日の夜酷い目に遭わされると思うから...」
彼はそれだけ呟くと作業に戻って行った。
「ね~ね...、あの人ケロナに似てたよね?」
「ああ、だが別人のようだ」
ケロナのように覇気がないし何だか弱々しい...。
控えめに言っても頼りにならないだろう。
「せっかくケロナと出会えたと思ったのに...」
ケロナさえいてくれればこんな牢獄簡単に抜け出せるのに...。
そう思いながらも俺達は無意味な作業を強いられ続けるのでした。
しばらく働いているとここにはモンスターの受刑者しかいない事がわかった。
ちなみに看守は全員人間である。
不毛の大地に稲を巻き農作しているのだが、こんな枯れ果てた大地で稲など育つはずがない。
「ね~ね...これじゃあお米が育たないよ...」
一度だけ田植えの経験をしていたリウでさ分かる事をここの看守達が知らない訳がないだろう。
「ああ、分かってるさ、でも今は無意味でも奴らの命令を聞かなくちゃ行けないんだ」
そう言いながら俺とリウはクワを手に取り畑を耕して行く。
そうしていると不意に看守長であるブーヤンの怒鳴り声が聞こえてきた。
「貴様!! 大切な種籾をぶち撒いたな! よって処刑に処す!」
(いきなり処刑かよ!)
俺は思わず止めようと走り出そうとしていたが、ブーヤンが処刑にするといった割になかなか次の行動に移さない。
しばらくその受刑者の顔を見た後にこう呟いた。
「まあ良い、その代わり今日の夜に俺の所へと来い」
それだけで済まされた受刑者に近寄る俺達。
「大丈夫か?」
「あ...ああ、ありがとう」
ひどく痩せてはいるように見えるが声質的にまだ大丈夫そうだ。
手を出して彼の手をとってあげると思わずあの名前が飛び出した。
「...ケロナ?」
「えっ?」
そう、その受刑者の顔がケロナそっくりだったのだ。
蒼い髪に中性的な体つき...。
痩せていなければまさしくケロナと見間違えていただろう。
「ケロナ? 誰? 僕はケロ次郎だよ」
「ケロ次郎?」
「...まあいいや、僕はもう行くね、今日の夜酷い目に遭わされると思うから...」
彼はそれだけ呟くと作業に戻って行った。
「ね~ね...、あの人ケロナに似てたよね?」
「ああ、だが別人のようだ」
ケロナのように覇気がないし何だか弱々しい...。
控えめに言っても頼りにならないだろう。
「せっかくケロナと出会えたと思ったのに...」
ケロナさえいてくれればこんな牢獄簡単に抜け出せるのに...。
そう思いながらも俺達は無意味な作業を強いられ続けるのでした。
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