女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

水の大陸編

よし！みんなで遊ぼう！！

　私たちは皆で火の大陸に来ていました。
　これには理由があって、タクヤさんのリハビリも兼ねているのですが、それは恐らく建前でしょう。
　突然ザーク様が「皆で海に行きたい！」と言い出したので急遽実行に移ったのです。
　そして海といえば...。

「なんじゃアオ！、ちょっとは力を抜いたらどうじゃ？」

「え...でも...その...少し恥ずかしいのですが...」

　私はクロリア様に水着の着方を教わり来てみたのですが、思った以上に布面積が少なくてとても恥ずかしいのでした。
　彼女はそんな私を見て楽しむかのような表情をしているのですが、それよりも他の男の人の視線が気になりました。
　さっきからジロジロと見られているので、私が何か変なのかな？と思い、彼女に何度も聞いてみるのですが笑われるだけでした。

「アオ殿はもう少し自分に自信を持たれよ」

　やれやれと言うように頭の上に手を置いて、ため息をされました。

「そうは言いますが...どこに自信を持てばいいのでしょう...、私など所詮メイドですし、皆さまのお目汚しになってさえなければいいのですが...」

「何を言うか！、アオ殿の透き通るような肌を見て何も思わない殿方がおられるだろうか...、否！いないと言える！」

　彼女にそう言われ、少しだけ自信を取り戻した。

「そうでしょうか...、ううん...私も一人の乙女として女を磨いた方が良いですよね！」

「うむ、その通りじゃ！、いつまでも妾は待っておるぞ！」

「はいっ！...」

(ところで何を待つ気なんだろうこの人は...)

　正直言葉の意味を理解しないまま答えてしまったが、特に問題はないだろう。

「っと...いかんいかん、そろそろ行かなくてはな...、我らの主君が首を長くして待っておるに違いないからの」

「ふふっ、そうですねザーク様は私達を待ちきれず、先に駆け出して行きましたからね」

「まあ、アウス殿にメイシス殿、そしてタクヤ殿にブンブンじゃったかな？...、とにかく人はいるから大丈夫じゃろ」

「一名機械が混じってますけどね」

「そうじゃのう、でも仲間じゃろ？」

「はい、彼も我が魔王城の一員ですからね」

　私と彼女は一緒に笑いながら砂浜に向かった。