女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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水の大陸編

紫の三輪車「ブンブン」

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 ギリギリと車輪の音が激しくなって行くのが分かる。

「アレはやばいな...!」

「おいユウト!、流石に町中でアレとやりあうのはマズイ!、あいつをどうにか誘導するぞ!」

 俺は彼に提案する。

「わかってる!、アイツは俺が狙いだ!、俺がとにかく町の外に行くのを手伝ってくれ!」

 ユウトが走り出すのを見ると、タクヤは右手を掲げてブンブンに命令する。

「ブンブンコード3...、アイツに奪われた未来を取り返すぞ...」

 彼はそう呟くと、ブンブンの背中に乗り込み急発進させた。
 早いなんていうもじゃない、この速度は今の俺達のは手に負えない。
 辛うじて見えているのがユウトとアウラだった。
 彼らだけ反応の仕方が違う。

「ユウリ~、ブンブンが早すぎて目で追えないぞ~」

 マオが呑気な声で俺に呟いてくるが、今はそんな事に時間を費やしている場合ではない。
 俺は金が欲しいのだ、金があればもう少しいい装備をマオにも買ってやれる...って何考えてんだ俺は...。
 今は目の前の仕事に集中しろ俺!
 と言っても、目で追えないのでどうすれば加勢できるのかわからない。
 そうこうしているうちに、彼が動きを見せる。
 タクヤはユウトの近くまで近づくと、その右手でユウトに殴りかかる。
 その攻撃を剣で受け止める彼だったが、思ったより衝撃が強かったのか建物の中に飛ばされた。

「ユウト!」

 ここにいる全員がその名を叫んだ...ん...?。
 なんかユウトがこの物語の主人公っぽくね...?。
 だんだんと主人公感がなくなって行くユウリに明日はあるのか!?
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