女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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ここは風の吹く場所(おまけ)

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 風が心地よい。
 私はのどかな平原にある、高台の上で寝ていた。
 鼻を風が駆け抜けた衝撃で私は目覚めた。

「ふぁ~あ...、よく寝た」

 金髪のツインテ少女はあくびをしながらゆっくりと体を起こした。
 その者の体色は、日に焼けているのか褐色であり、大きく背中が開けた赤黒の服を着ている。
 彼女が体を起こしきると、急に日がくれたように影が彼女をつつみ込んだ。

「なんだ?」

 アホそうな顔のまま、影を作った岩石のような物を見上げる。
 その岩石には目があり、彼女の何倍もの大きさの魔物であった。
 ジロリとその魔物が、彼女を見て咆哮を上げて拳を振り下ろした。
 凄まじい音と共に、彼女のいた高台が潰れる。
 これでは彼女はひとたまりもないだろう、そう思えたが、彼女は無事であった。
 なんと、岩石の頭の上に座り寝転んでいる。

「やっぱりもう少し寝させて...」

 そう言いながら眠りに入ろうとするが、そうもいかないようだ。
 魔物は両手を使い、頭の上にいる彼女を潰そうとするが、彼女はそれに激昂しながら魔物を殴る。
 彼女の細腕からは予想もできない威力を発揮し、岩石の鎧を1発で砕ききった。

「ここうるさい!」

 そう叫びながら別の眠りやすい場所を求め、彼女は歩き出した。

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